Clarice Fantasy

大人の女性向け恋愛小説置き場。たまにR-18
           

ラピスラズリ 248 田島編

今思えば、あれが俺の分岐点だ。あの時、誘いに乗らなければ……。昔を回想しながらいつもと変わらない、満員電車に乗り込む。ぞっとするほど人が乗っている満員電車だが、偶然山下さんを見かけた。山下さんが立っている隣に流れ着く。「おはよう」彼女は、ぱっと俺の方を見て恥じらいがちに微笑んだ。確信はないけどリアクションに、つい俺に気があるのかなと思ってしまうんだけど…自意識過剰かな。「!」「きゃ」すると、後ろから...

ラピスラズリ 247 田島編

佑香と出会ったのは、その頃だ。新入社員の佑香は、総務部に配属されていた。ちょっとした社内のイベントで同じ係をしてから、「田島さん、田島さん」と懐かれるようになった。佑香は、マリとは違って俺を見下すことはない。連日、仕事がキツかったある日。マリはちょうど出張だった。「田島さん、飲みに行きませんか?」たまたま、帰りに佑香と一緒になった。「飲み?いいけど…」俺も少し疲れていて、断ってもよかったはずなのに...

ラピスラズリ 246 田島編

仕事が終わり、家に帰る。今日も佑香は家にいなかった。Yシャツやスーツはクリーニングに出しあとの物は洗濯機に放り込んで洗う。もともと、お嬢様育ちの佑香。新婚時代にはいろいろと張り切ってくれてはいたが最近は家事もしなくなって久しい。飯は食って帰ってきたから佑香がいないことで何も困ることはない。マリのことは大好きだった。俺にとっては初めてと言っていいほど、のめり込む恋愛をしていた。だが、同い年でありなが...

ラピスラズリ 245 田島編

マリは、淳と同郷だった。さばさばした性格のマリは、くるっとした大きな瞳が印象的だった。二人は出身高校が一緒で入社して再会したと言っていた。しかし、それだけではない関係に見えた俺は「マリとつきあってんの?」となんとなく淳に聞いたこともある。「ないない。あいつのこと、女には思えねえし」淳は、そう答えていた。俺はマリは同じ部署に配属になり、残業の後に飲みに行くこともあった。男女の仲になったのは、マリが珍...