Clarice Fantasy

大人の女性向け恋愛小説置き場。たまにR-18
           

Top Page > ラピスラズリ(連載中) > ラピスラズリ 237 親心

ラピスラズリ 237 親心

家に帰ったら、母がこたつでうたたねしていた。


「お母さん、風邪ひくよ」

「ん……」


お母さんは
こんなに、小さかったかな。

いろいろ口うるさいけれど、
私のことを心配しているのは伝わってる。


母は、私に結婚してほしいのだろう。
すぐには叶えてあげられそうにもない。

母の思う幸せと私の思う幸せが
交わらないところに存在しているのが
申し訳なくも思う。



……でも、今日は
栞ちゃんに会えてよかった。
匠君も。



「お母さん。私帰るね」

「えっ?晩はしゃぶしゃぶしようと思って
いいお肉用意してるのに」


母はすぐに起き、こたつに座り直した。


「そうなの?」

「そうよ。冷凍庫見てみなさいよ。
お父さんと張り切って買いに行ったのよ。
カニもあるけど、
それはあんたが帰ってから
お父さんと食べるから」

「……ふふっ」


甲殻類がダメなことも、
今でも覚えててくれてありがとう。

お母さんを安心させてあげられなくて
ごめんなさい。



自己中でも、
噂話が好きでも、
年取ったなぁって思っても、
やっぱり私にとっては、
唯一のお母さんだ。


「ただいまぁー」

ほろ酔いの父の声が
玄関から聞こえた。


「おかえり」

「今日は瑠璃が帰ってきてるから、
早めに切り上げたよ。
晩はいい肉があるからな!
たくさん食って帰れ」


酔って少し声が大きくなっていて
嬉しそうにしている。


お肉はとてもおいしくて、
私が思っていたほど、夫婦仲は悪くなくて。


翌昼、実家を出るときに

「体には気をつけるのよ。
いつでも帰ってきなさい」

と言う母に、うん、と頷いた。

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

関連記事
該当の記事は見つかりませんでした。