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ラピスラズリ 231 お気楽

「あのね。私、正社員になって
働こうと思うんだ」

なんとなく母に打ち明けたら
母は苦虫を噛み潰したような顔をした。

「お気楽な派遣のまま、
いい男捕まえてやめりゃいいのに!
昔っから苦労をしょい込むんだから」


「派遣だからってお気楽じゃないよ、
それはひとくくりにしすぎだよ。
正社員だって、お気楽な人はたくさんいるし
適当に仕事してるわけじゃないよ」


「まあなんでもいいよ。
じゃあ前の仕事辞めなきゃよかったのに。
前の方が大手だったのに」

「………」

母と話すと、
後出しじゃんけんされてる気分になる。

後からなら、誰だって、
好きなように言えるもの。


ひとつの何かの結果を
これでもかってほどダメだしして、
悦に入って、

「自分ならこうしたわ」って
満面の笑みで語って

こんな人間になりたくないなって
そう思って、家を出たのに。


人は変わらないんだな。




「……私、コンビニ行ってくる」

「え?ああ、寒いから上着着て行きなよ」

「うん」


とりあえず、
変なことを言い返してしまわないうちに
この場を去るのが得策。


ブーツを履いて、
ダウンを着て外へ出る。


キンと冷たい空気に、身が縮まった。

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