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ラピスラズリ 230 元日

「あけましておめでとうございまーす!」


テレビから流れる
新年のあいさつ。


田島さんからは
当然のように連絡もなく
どう過ごしているのか、謎。


自宅にいるといろいろ考えてしまうので
気が進まないながら、実家に帰ってきた。


…でも、やっぱり帰ってこなければ
よかったと思っている。


「隣のさやちゃんね、玉の輿乗ったって。
向かいのかおりちゃんは
3人子供いるんだって。」

「へえ…すごいね」


私が帰ってきた時
母は、とても安心したように
優しく出迎えてくれた。


けれど、それから続く話題は
誰かの結婚の話ばっかり…。

父は、町内会仲間と飲みに出てしまった。



「……でね。2丁目の山内さんの下の子は
不倫して孕まされたらしいよ!」


家を出る前と全く変わっていない
母の嫌なところ。

昔は反論していたけれど
伝わらないうえに
こっちが悪いようにされてしまうので
何も言い返さなくなった。


「…山内さんとこの下の子って…栞ちゃん?」

「そうそう!あそこはお母さんも
派手だったからね!
お兄ちゃんは実家に寄りつかないらしいよ」

「……ふぅん」



栞ちゃんとは、一緒に通学する仲で
なぜか懐かれていた。

彼女の兄、匠君が
私と同級生だったこともあるかもしれない。

兄本人とは全く仲良くなかったけど…



「元気かな、栞ちゃん…」

「それでね、年末から帰ってきてんのよ!
大きいお腹でね!」


母は、私のつぶやきなど聞きもしない。

唾を飛ばしながら話す下世話な内容を
右から左に聞き流しながら、
栞ちゃんが元気だといいなぁと思った。

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