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Top Page > ラピスラズリ(連載中) > ラピスラズリ 225 君

ラピスラズリ 225 君

「かんぱーい!」

岡田さんの音頭で乾杯をし、
ビールを流し込む。

会社の近くのカジュアルな居酒屋。
何組か会社の人たちもいた。


タイミングよく個室が空いたようで
通してもらった。

私と岡田さんが隣に並び、
向かいには田島さんが
あぐらを掻いて座る。


何だ、この状況は…。


落ち着かない気持ちでいると、
岡田さんのスマホが鳴った。

「オーダー、田島さんにお任せします。
私の好きなもの知ってますよね?」

「知らねえよ」

と言いながら、
田島さんはメニューを取り出して
パラパラとめくり出す。

岡田さんはぱたぱたと出て行ってしまい、
私と田島さん二人きりになってしまった。


「あいつ、エビ好きなんだよな…」

岡田さんの好きなもの
ちゃんと知ってるんだ(笑)

ほほえましくてふふっと笑う。


「じゃあたくさん頼んであげてください」

お店の人がやってきて、エビやお肉や、
いろいろと注文を済ませて、また沈黙。



「…君は?エビ好きなの?」


田島さんが私の顔を見て、ドキっとした。

君って。(笑)

「スキキライじゃないんですけど
食べたり、さわったりしたら、
かゆくなったり赤くなるので…。
甲殻類がダメで…」

「へえ、そうなんだ。知らなかった」

「あはは……」


田島さんとベッドにもぐったのに
終わらないキスを交わしたのに
あんなことも、したのに
なぜか、緊張する…。

そして、笑う必要もないのに
つくり笑いしてしまう。


田島さんは、耳を掻き、
「ちゃんと覚えとく」と
またメニューに目を落とした。

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