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ラピスラズリ 218 後悔

大人になったのに…

中学生のころの恋のように
言葉を探しても見つからなくて

つないでいる手だけが
私と田島さんをつなぐ。


きっと、普通のカップルなら
話すことはいろいろあるんだろう。


何かを口に出せば
自分の足元が崩れてしまうような
不安定な場所にいるような

何もかも崩れた時に
この手は離さないでいられるのかな。




「山下さん」

ふと名字を呼ばれて顔を上げる。


「あ、はい」


「後悔してる?」


暗がりで田島さんの表情はわからない。
田島さんは…後悔しているのだろうか。




「…田島さんは…?」


「俺が聞いてるんだけど…」


「………」



ずるいなぁ…

私にだけ、気持ちを言わせようとするなんて。



でも…田島さんから
自分の意思を伝えろと
何度も言われてきたから
ちゃんと…。




すうっと息を吸い、
自分の心を吐きだす。



「後悔、してます。

昨日で終わろうと思ってたのに、
もう会ってるから……」



田島さんが足を止める。
軽く溜息をついたように見えた。



「俺も同じ。でも、終われるわけないよな。こんなの」




唇を噛みしめて涙を堪えていると、
ごめん、と田島さんは言った。

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