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ラピスラズリ 214 秘書課の彼女

ドキッとした。

即座に、昨晩ふたり抱き合った光景が
リアルに頭をかすめるが、
そういう誘いとは限らないよね…。


梶さんに決意表明をしてから、
冷えた頭がますます冷静になって、
後ろめたく思えて。

田島さんの向こうの
見えない奥さんの姿が、
見えてくるような気すらして、怖い。

それでも、好きな気持ちは消えないけど――。


「お疲れさまでした」

田島さんに返信しないままにオフィスを出た。


冷たい空気。
クリスマスが終わった年末の暗い空。
行き交う人と車。

駅裏のツリーのイルミネーションは
片づけられていて、寂しかった。

田島さんと一緒に見たきらめきは
一日で消えている。


仕事も、恋も(しかも不倫)、
私は何をつかみたいんだろう?


のろのろと階段を下りていると、
急いで駆け下りる女の人にぶつかった。

「あっ…」

バッグが転がり落ち、拾いに駆け下りる。
ぶつかったその人がバッグを取ってくれた。


「すみません、ありがとうございます」

「ゲッ、アンタだったの?」


きれいな顔をゆがめて、
私にバッグを押しつけたのは
秘書課の彼女。

髪をきれいにまとめて
品のあるメイクをしているが
派手な顔立ちで目を惹く。

私とは大違い…。


「邪魔」

悪態をつかれながら二人でホームに降りたが、
混雑しているので離れるのも難しい。

口は悪すぎるけど、とてもキレイな顔だなぁ。

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