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ラピスラズリ 210 申請者

「あ。山下さん戻ってきた。
 頼んでいい?
 これ仕入先に確認しといてほしくて」

「あ、はい……」

昨日まで、どうやって
しゃべってたんだろうってぐらい、
心臓がばくばくして緊張する。



「社用車予約取りました?」

一応聞いてみたら、
横に首を振る田島さん。

「……やってくれる?
午後からは取ってんだけど、
時間、前に延ばせるかな」

「できますよ」

開けたパソコンのディスプレイを
二人で覗きこむようにして
緊張しながら入力する。

私が電子申請をあげると、
申請者が私で
使用者が、田島さんの名前になる。


本当に小さなことなのだけど
それが、田島さんの
役に立っている印に見えて
私には嬉しかった。


「何これ。かわいいじゃん」

「あ、萩原さんがさっき…」

「…萩原が?」

田島さんの目が
少し鋭くなったように見えて、
つい口ごもってしまった。

「あ、あの……あの
コンビニで売れ残ってたみたいで。
おひとつどうぞ」

「…………うん。
じゃ、俺行くわ」

「はい。お気をつけて……」

「おう」

なんとか、普通に話せた。
ホッとして田島さんの後ろ姿を見送り、
ベルと共に着席した。

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