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ラピスラズリ 187 イルミネーション

帰る?

どっちの意味?

なにもなく?


田島さんは梶さんと話をしながら
こっちを見なくなってしまった。

やだー!
約束は?

24空けといてって言ってたのに!



「じゃあね!
私たちはこっちだから!
おつかれ!」

ビルを出た途端に
岡田さんが梶さんの腕を引き、
私と田島さんから離れてゆく。


ろ、露骨ー!



岡田さんの名言『別れてから口説け』を
使わせて頂いた事は、
岡田さん御本人には伝えた。


それもあって、
お膳立てなんだよね、きっと。


田島さんは、あからさまな岡田さんに
ちょっと変な顔をしていたけど、
気にしていない感じだ。


「店もう閉まってるかな」

「ですね」

「どうするかな…」


ふわふわの雪が舞っている。
積もらず消えるような儚い雪が。


「…あっ、イルミネーション見たいです」

「あー。駅裏の?」

「ご存じなんですね!」

「さっき通って帰ってきたしな」

「何回見てもきっときれいですよ」



私たちは仕事帰り。
田島さんは、彼氏じゃなくて職場の人。

だけど、
こんな、雪の降るクリスマスに
田島さんとイルミネーションが見られるなんて。

この前、岡田さんには
クリスマスなんて
全然関係ないって強がってたのに…



「わ…」


この前見たはずのツリーは
キラキラと煌めいていて
この前見たよりもさらに美しく、
神聖な光に見えた。

雪にも反射して、幻想的だ。



「ここのツリー、こんなきれいだったっけ…」


田島さんは、私の隣で、
コートのポケットに手を入れながら
小さくつぶやいた。

私も今、同じことを思っていた。

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