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ひみつのシンデレラ【22】ほめ殺されるシンデレラ

電話も数回目ともなると、心臓が飛び出しそうな緊張もちょっと鎮火してきた。
桜木さんが私に気がないと悟ってからは、恋に恋していたような感覚も薄まり、少し冷静に桜木さんを見ることができた。
諦める選択肢はまだないけど。

『おつかれ。今日山下さんと無事話できたよー。うち受けたいみたいだから、また説明することになったよ』

「そうですか…」

さやかちゃんから聞いた通り。少しだけ沈黙の後、桜木さんが口を開く。

『で、今日は誰と遊んでたの?彼氏ですか?』

また!出たよ~
そういう、その気にさせる言葉。

誰彼かまわずすぐラブな空気出すんだから!
必要以上に冷静なトーンで「違います。この前の友達です」と答えた。

『あー、あのかわいい子ね』

「飲み会、あの子連れて行きますね。あと、早見さんが来たいと言ってました」

そこまで伝えると、『え?』と桜木さんが言った。

『伊原ちゃんが早見を誘ったの?』

「いえ、コンパすることも言ってませんよ。桜木さんが言ったんじゃ…」

『俺言ってないよ。』

え。じゃあ、誰から漏れたの?


『俺の友達から聞いたのかな。今度連れてく奴ら、早見たちと一回飲んでるんだよね。前とメンツかぶっちゃうけど、まーいいか』

ということは…

桜木さんのお友達と早見さんがすでにお知り合いで、連絡取ってるということ?

そして桜木さんは、同じメンツで飲むより、新しいメンツで飲みたい、と。

社交的というか何というか…
私は慣れた人と飲むほうがいいや。


『連れていく奴らは大学の時の友達なんだ。伊原ちゃんかわいいから狙われるかな』

「…はぁ!?」



心の中のリアクションを口に出してしまった。


ずっとキュンキュンさせられてきたけど、その時ばかりはぶっちゃけ「はぁ!?」だった。

よくわかんない。

持ち上げてるの?ほめ殺し?

桜木さんは電話の先で大笑いしている…

何?からかってるの?


『あははは。伊原ちゃんやっぱおもしろいね』

ウケてんの!?
どこに?
意味不明…

「桜木さん…社交辞令いらないですから。からかうのも、もういいですから」

『えー。社交辞令じゃないよー』

「もう本当キレますよ」

桜木さんは笑いを堪えながら謝っていた。


なんか結構思っていたよりは普通というか、適当な人かもしれない。私が理想化しすぎてたのかな。


…でも、打ち解けたような会話ができたことが、実は嬉しかった。

彼を笑わせることはできても、ドキドキさせるのはまだまだみたいだけど。

桜木さんは、かわいいとか誰にでも言う。
お客様にも、さやかちゃんにも、一目見ただけの朱莉にも。

桜木さんがドキドキすることってあるのかな?
小山さんにはするのかな。謎だ。

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