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ひみつのシンデレラ【18】友達に見立てるシンデレラ

「これ買うー」というので、代金をいただいてレジへ。

レジスタッフさんに打ってもらっている間に、レジ横のストック部屋から桜木さんが出てきた。
そこにはミセスゾーン分の在庫が置いてある。

桜木さんは、私の持っている箱を見て、にこっと笑って売場に出た。

その笑顔に胸がきゅっとする。

朱莉のパンプスも、私が桜木さんからもらったパンプスと同じブランドのもの。

靴をきれいにして箱に詰め直し、雨の日なので紙袋にビニールを掛ける。

そして、雨の日は、雨の日の音楽が流れている。
思わず口ずさみそうな軽快な音楽がかかる中、朱莉の元まで戻ると、桜木さんが近くにいた。

「朱莉。お待たせ」

桜木さんの視線を感じてちょっと緊張しながら、朱莉にお釣りと商品を渡す。

「ありがとー。またブーツも買いに来るかもー」

「うん。来て来て」

そうして、朱莉が帰っていくのを見送った。


「今の友達?」と桜木さん。

「はい。高校からの…」

「きれいな子だねー」と桜木さんが微笑む。


はい…私と違って。

さやかちゃんといい、朱莉といい、周りはきれいな子だらけ。
小山さんだって美人だし、早見さんも天真爛漫でかわいいし…

はあ。比較するのやめよう。落ち込んでしまう。


桜木さんは、朱莉に持ってきた24cmの方の商品を持ち、倉庫に戻って行った。

さやかちゃんのメモを渡すの、今がチャンスかも。

急いで桜木さんの後を追った。

「桜木さん」

倉庫に入る前に呼び止めた。桜木さんが静かに振り向く。

「あの、山下さんの連絡先…」

メモを差し出そうとすると、「あ、いいや。今度直接話すよ」と遮られてしまった。

「そうですか…」

自分が断られたような気になり、何だかショックだった。桜木さんはそのまま倉庫に入って行ってしまった。

…売場戻ろう。

踵を返してとぼとぼと歩き出すと、後ろから桜木さんが駆け寄ってきた。

「今日2Fのカフェいたでしょ。さっきの友達と」と笑いかけてくる。

さっきの話はなかったかのよう。

「いました。桜木さんいたんですか?」

休憩中に通り過ぎていたらしい。

顔を見上げると、人懐こく笑う。フォローの雑談してくれてるのかな?


カフェはガラスばりのお店なので、通りかかる時に外から見えてもおかしくはなかった。

「女の子は好きだよねー。スイーツ」

「いちばん好きなのは社内喫茶のワッフルですよ。でも行くチャンスなくて」

「バイト前に行けばいいんじゃない?」

んー。一人で行くのも浮くような。

もちろん、社内喫茶のメニューにテイクアウトはなく、そこに行かないと食べられない。
あんまり気軽に行ける場所じゃないからこそ、あのワッフルにプレミア感がついてるのかも。


そのまま売場に出たので、話はそれで終わった。

さやかちゃんには「桜木さんから直接話すって言ってた」って言えばいいかな。

あんまり役に立てなくて、申し訳なかった。

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