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ひみつのシンデレラ【17】シフォンケーキとシンデレラ

着信履歴を何度も見た。

信じられないけど、桜木さんからの着信が残っている。

耳元に残る桜木さんのフランクな話し方や声を思い出す。

ドキドキしながら余韻に浸り、切ない気持ちでため息をついた。
目を閉じても思い浮かぶのは桜木さんのことばかりだった。


翌日、夕方からのバイトの前に、大学の友達とお茶することになった。

その日は一日雨だった。
お客様が少ないかもしれないな、と思いながら待ち合わせ場所に来た。

「真希ー!」

私を見つけて手を振る朱莉。高校、大学と一緒。デパート近くで待ち合わせて、ショッピングモール内のカフェに入った。

メニューを確かめてみるが、ワッフルは…ないなぁ…

「ねー今日、売場行っていい?靴ほしくてー」

「いいよー!来て来て」

頼んだのはシフォンケーキ。ミントを避けて、シフォン生地と添えられたクリームを口に運ぶ。
わー、おいしいーふわふわ。

「真希、めっちゃ笑顔」と朱莉が笑った。

甘いもの食べると顔が緩む。

「今度コンパあるんだけど、真希行かない?」

キュッと口角を上げて、きれいな笑顔を見せる朱莉。唇がピンクでかわいい。


「うーん、行かない…」

「もう、あんたはー。女子大なのに自ら出向かないと出会いないよ」と、朱莉は渋い顔をする。


「コンパとか向いてないんだもん。社会人になったらまた出会いあるかもしれないし」

っていうか、好きな人いるんだけどね…

朱莉には片思いのことを話してもよかったけど、従業員がいるかもしれないカフェだったので、そこでは言わなかった。



デパート前で朱莉と別れて通用口から出勤する。

制服に着替え、メモとペンを胸ポケットに入れた。

デパートの制服も好きだった。
シャツとタイトスカートにベスト。けしておしゃれとは言えないけれど、着ると少し大人びて、社会人に近づいたような気がした。

そして、さやかちゃんから預かったメモもポケットへ。
桜木さんに渡すチャンスあるのかなぁ。


売場に出ると、早見さんがいた。

「おつかれー。外雨降ってた?」

「はい。止みそうにないですね」

「やっぱり?今日はちょっと不調…」と、早見さんが首をすくめた。

雨の日はやはり、お客様もいつもより少ない。

桜木さんの姿をさりげなく探したが、いなかった。

それから少し経つと、朱莉が売場にやってきた。
わくわくした表情でディスプレイを眺めていた。

「かわいいー。ほしいなぁ」

赤のラウンドトゥのフラットパンプスを取り、片足を入れる朱莉。よく似合っていた。

「これ両足履いてみたい。普段24だけど、ゆるいかなぁ」

「23.5でもいいかもね。どっちも取ってくる」


履いてみると、23.5でよさそうだった。

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