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ひみつのシンデレラ【16】ノンストップなシンデレラ

『お疲れ様ー。メールありがとう。山下さんがうちの会社受けたいんだ?』

受話器の向こうから桜木さんの声…!
どうやら今、屋外にいるような雰囲気だった。

「はい、桜木さんに話が聞きたいそうで…」

『山下さんも直接俺に話してくれたらいいのにー。ごめんね、間に挟んじゃって』

「いえ、それは全然」

電話の声が聞けるという特典もあったし、ほんとに全然…

その後、電車が通り過ぎる轟音がした。


「今帰りなんですか?」

『うん。家まで歩いてる。ちょっと飲んできたんだ』

「いいですね。楽しかったですか?」

『うん?伊原ちゃんがいればもっと楽しかったかな』

それ!そういうセリフ!
言われるたびドキドキしていたけど、段々癪に障るというか、私ばかりドキドキさせられるのがずるいと感じていた。

しかも、彼女もいるのに。


「ほんともう、何でいつもそんなこと言うんですか?」


電話だから、今赤くなってる私の顔は、誰にも見えない。
桜木さんも酔っていると思うと、少し強気に言い返すことができた。


桜木さんは、あははと笑って、質問には答えない。想像通りのリアクションだった。
世間を知っていて、私なんかより一枚も二枚も上手で、世渡り上手な感じ。


『伊原ちゃんはお酒飲めるの?』

「早見さんと同じぐらいです」

『全然飲めないじゃん』と笑う桜木さん。


うーん。いつも以上に明るいな。酔ってるんだな。

なんだか悔しかったけど、こうやって話せて嬉しいと思っている自分もいて、複雑な気分だった。

桜木さんの周りの音が、静かになって声が響いた。
建物の中に入ったようだった。


「桜木さん、家つきました?」

『うん。ついちゃったね。また電話してもいい?』

さらりと聞かれて、「あ、はい」と答える。それ以外に答えがない…

『じゃあ、おやすみ。また明日、売場で』

「はい。おやすみなさい」

しばらく無音が続いた後、私から電話を切った。

あ!さやかちゃんの話、途中で終わってた。
明日リベンジしなきゃ。

…今、桜木さんが帰った家には、小山さんがいるんだろうか。


また電話してもいい?

って…

社交辞令かな…


もう、好きな気持ちは止まりそうにない。

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