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ひみつのシンデレラ【5】紅茶とチョコバナナワッフル

17時になり、社員さんたちに挨拶をして、速やかに売場から立ち去る。

売場にセール品を追加している最中の桜木さんと目が合い、「お疲れさまでした」と言うと、笑顔で「これ?」と、パンプスの片足を私に見せた。


お昼休憩中、かわいいと話していたキャメル色のパンプスだった。

それですと頷くと、桜木さんはまた目を細めて、「お疲れさん」と私に手を振った。





従業員出入り口のドアを抜けて、売場裏の通路を突っ切り、ロッカーまでの階段を駆け下りた。


心臓がすごい速さで動いているのがわかる。

あんな笑顔ずるいよ、桜木さん。
好きになったってどうにもならないのに、もっと好きになっちゃうよ。

ゆっくり深呼吸してもドキドキは落ちつかないし、ロッカーを開けて鏡を見たら、頬が赤い。
今日はちょっと刺激が強かった…


着替えが終わり、バッグを肩にかけたところで他の学生バイト、パート社員の方が下りてきて、さやかちゃんの姿があった。

「あっ、真希ちゃんすぐ上がれたんだね!フルだと足痛いね~」

彼女はすぐ私に気づいて笑顔になる。
お昼休憩を一緒に行ってから、ぐんと距離が縮んだ感じ。

私はまだ、顔が火照っていないか心配になりながら「痛いよね?」と答えた。

帰るタイミングを失っていると、さやかちゃんが笑顔で「一緒に帰ろう」と言った。



帰り道さやかちゃんに、お茶に誘われた。

今日のお昼でさやかちゃんはワッフルに目覚めたらしく、食べて帰りたいという。
私も甘いものを食べたかったので、駅直結ショッピングモールを歩き、二人でとあるカフェに入ってみた。

ワッフルセットがあったので、紅茶とチョコバナナワッフルを頼んだ。
社内喫茶の味とは違うおいしさだったが、失礼ながら「あのお昼のワッフルが食べたいね」とこっそり言い合う。

さやかちゃんとはバイトの話も弾み、ノリも会話のテンポも合うし、好きなものも似ていて、話していてすごくしっくりくる。


話がふと途切れた時、気になっていたことを尋ねてみた。

「さやかちゃん、桜木さん苦手って言ってたけど、なんで?」

さやかちゃんは、少しキョトンとしたあと、あっ、と思い出す様子を見せ、
「お昼の話?うーん。距離が近いのが苦手。ドキドキさせられるから」と笑った。

えーっ!?そっち!?

「なんか、桜木さんてその気にさせるのがうまいような気がしてる…自意識過剰かな」
と、はにかむような顔を見せた。

その「苦手」は、「きらい」の苦手じゃないということは理解した。


桜木さんにドキドキさせられてるのは、私だけじゃなかったのか…

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