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ひみつのシンデレラ【2】かわいいバイト仲間

「あれ?伊原ちゃん、桜木君知らない?」

桜木さんと同じメーカーの小山さんに聞かれ、「納品が残っていたそうです」と答えた。


小山さんは私の7歳上。スラッとしていて、はっきりした性格の美人な女性。
タヌキ顔の私とは違う、洗練された顔立ち。


「ふぅん。もう、トロいなー」

少し苛立ったように言うと、「じゃ、売場見ててね」と小山さんも倉庫に行った。


あの人が桜木さんの彼女。
噂では、結婚も考えていると聞いた。



桜木さん、トロいかな?
そんな風には思わないけど…


小山さんは桜木さんの先輩だから、あんな風に言いながらもきっと仲良しなんだろう。
とにかく小山さんが羨ましかった。




次に桜木さんを見かけたのは閉店間際で、売場の主任と話している姿。
私は会計をしに、レジに向かう。

桜木さんは目が合うと、いつもにこっと笑いかけてくれる。
そのたびに胸が苦しくなる。
笑いかけてくれるたびに好きになっている気がするから。

ひとりでこっそり好きなこの気持ち、誰にも知られたくはなかった。





お客様に紙袋をお渡しし、出入り口までご案内した。
ちょうど閉店の音楽が鳴りやみ、バイトが終わる。


「おつかれさまでしたー」


各階、各売場からのスタッフたちがぞろぞろと地下にあるロッカーに流れてゆく。

急いで下りなければ大混雑に巻き込まれるので、毎回ダッシュで売場を去っていた。

ロッカーで制服を畳んでいると、学生バイト仲間のさやかちゃんと目があった。
同い年の彼女とはたまに話をする仲だった。

「真希ちゃん、一緒に帰ろうよ」

「うん。いいよ」

と言っても、乗る電車が違うので、デパートを出て少し歩くとすぐ解散になる。
べったりつきあわないでいいこの距離感は悪くなかった。

さやかちゃんはかわいい子だ。
小柄で目鼻立ちもはっきりしていて、一緒に住んでいる社会人の彼氏もいた。

接客中は笑顔だけど、あまり人とつるまない子で、私にもたまにしか声を掛けてこない。

私も、どちらかと言えば人と距離を置く方だったので、無理に近づいてこないさやかちゃんとは、一緒にいても、会話がなくても居心地が良かった。





通用口を出るとさやかちゃんが口を開いた。

「もうすぐセールだね。真希ちゃん、フルで入る日ある?」

「あるよ。今度の日曜日」

「私も日曜。休憩一緒かな?社員食堂行くのってちょっとどきどきするよね…」

さやかちゃんの意外な面を知った。一人でも平気で行くタイプだと思っていた。
確かに食堂は独特のシステムだし、慣れていないので緊張する。私も一度、バイトを始めた頃に行ったきりだった。

「一緒に休憩いけたらいいね」と言い合って、解散した。

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