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ラピスラズリ 186 残業

目が合ってどきりとした。
あれ以来、初めてまともに顔を合わせる…


「まだ残ってんの」

「はい、もう少し…」

「倒れんなよー」


萩原さんは、私たちが一緒にいた
あの時間などなかったように
普通に振舞う。

少し胸が苦しくなった。



年末、地元に帰るんだよね。
私も一緒に行こうと思ってた。

思い出しても仕方のないことが
頭をかすめる。

萩原さんは、自部署に戻って行く。


「さ、るりちゃん。続き続き」


岡田さんが私の腕をつつき、
私もデスクに戻った。





「おわっ…たぁー…」

「終わりましたねー…!」


私と岡田さんが両手を挙げたら、
梶さんがあくびをしながら
パソコンを閉じた。


「帰るよー。もう誰もいないよ」

「ほんとだ…」

向こうの方に数名いらっしゃるけれど
ほぼ退勤。


もう、お店閉まってるかも。
パタパタと帰り支度をしていたら
田島さんが帰ってきた。

髪に雪がついてる。


「あ。山下さん、まだいた」

「おっ、お疲れ様です!雪が…」

「え、どこ」

「ここに……」


田島さんの髪に触れたら、
岡田さんと梶さんが
微妙な空気を醸していることに気付き、
手を引っ込める。


…ネタにされてるな~。


田島さんは書類や端末を置くと
「さ、帰ろう。」と言った。

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