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ラピスラズリ 90 本音

ごめんなさいと謝る以外は
ほとんど会話もなくタクシーを降りた。


小さくなってゆくタクシーを見送りながら
ポケットに入っていた名刺をそっと取り出した。


みなさんに…
迷惑ばっかりかけちゃって…

自分で処理できたらよかったのに。
騒ぎにしてしまった。


辞めさせられちゃうのかな。
私一人切ることなんて簡単だもの。
どうしても立場は弱い。


元々は、正社員採用を探しながら、
職が見つかるまでは
派遣スタッフで生活費を稼ごうと
思っていたのだけど…


今は、ここを辞めたくないって思ってる。


田島さんに会えないのは
嫌だと思ってる……

それが、偽らざる本音だ。




翌日、とても気が重かったけれど
また早めに家を出た。


会社近くのカフェに入ると
向こうの席で萩原さんの背中が見える。


ここを出るときにお声をかけよう…
昨日のお詫びもしないといけない。


そう、思っていると、
萩原さんが突然素早く振り返り
コーヒーを飲む私と目が合った。


萩原さんは、眉間に皺を寄せながら
私に手招きをした。

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