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Top Page > ラピスラズリ(連載中) > ラピスラズリ 89 タクシーの中

ラピスラズリ 89 タクシーの中

通りに出ると、タクシー乗り場があり
先頭のタクシーのドアが開いた。

田島さんが先に乗り込み、後に続く。

運転手に行き先を告げた後は
沈黙になった。


もらった名刺はポケットに入ったまま。
まさかこんな展開になるなんて、
思っても見なかった。

外を見ていた田島さんが、私に顔を向ける。


「天野にキレられたの?」

「…はい……」

田島さんは長い溜息をつく。


「私がはっきりしなかったのもあったので…」

「…それはあるかもな。
山下さん、誰にでもいい顔しようとするもんな」



見抜かれている。
でも何か引っかかる言い方…


「はっきりしないのはダメでしたけど、
いい顔はしますよ…
不安定な立ち位置だし
自分の居場所はほしいですよ…
ギスギスしながら働きたくないです」

「…ごめん。嫌味ではなかったんだけど」


田島さんはまた、窓の外を見る。
私も、同じように反対側の窓の外を眺めた。


何を考えているんだろう。

どうして私に連絡先をくれたんだろう。

田島さんの心がわからない。

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