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ラピスラズリ 183 瑠璃

田島さんは、指でぐいっと
私の涙を拭き、
ぬるくなった缶コーヒーを開けた。


再び歩き出して
もう、着いてしまう。


別れてから口説け、に対する
田島さんの返事は、「ごめん」だった。


どういう意味のごめんなのか
全然わからないけど、
「もう家着くのか」
としんみりした呟きを聞いたら…




往生際の悪さが出てしまった。




「イブ、誰もつかまらなかったら
呼んで下さい。
あの喫茶店ならいいですよ。
ごはん食べるのがデートじゃないのなら、
行きますから…」



咄嗟に出た台詞だが、
上からすぎる。

どこの女王様だ。



超絶勘違い女の発言に、
田島さんはきょとんとした後
笑い出した。



「わかった。
誰もいなかったらな。
じゃあ、いい加減連絡先教えろよ。
連絡取れないだろ」


「あ……教えてませんでしたっけ」


「俺が渡しても
全然連絡してこねえじゃん」




当たり前でしょ。

既婚者とわかってて、
私用携帯にルンルン連絡できないよ。




寒い中、スマホをかざし合い、
QRコードを読み取るアラサー二人。


「…瑠璃、な」

ラインに登録している名前を呼ばれただけなのに、
ドキっとしてしまった。


好きな人に名前を呼ばれたら
こんなに心に響くんだ。


この人に抱かれながら呼ばれたら
幸せすぎて溶けて消えるかもしれない。

と、卑猥な妄想もそこそこに
もう、マンション前到着。

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