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ラピスラズリ 182 ごめんの意味

田島さんの声は
ちょっと低くて、好きだ。



でも…その声で

“ごめん”

と何度も何度も言われると
自分がかわいそうに
思えてくる。


人によく謝りがちな私だけれど、
何度も言われた方の心境は
けっしていいものではないな。



謝る田島さんの腕は優しくて
それがまた泣きたくなってしまうけど



岡田さんみたいに、可愛くないし

秘書課の人みたいに、美人じゃないし
(見たことないけど)

マリさんみたいに、素敵じゃないし
(噂しか知らないけど)


顔は涙でぼろぼろで

まあ、もともと大した顔ではない
天野さんにブスと言われるぐらいだし

崩れる心配もないほど
メイクも薄いし


地味だし、ダサいし、




だから、

「ごめん」って言われても
納得はできる。


からかってただけだって
言われたとしても、
やっぱりそうだったかぁ、

って思えるし…



黙ってしまった田島さんが
次に出すであろう言葉を
必死に思い巡らせて、

どうにか心のダメージを
軽減させようと、
脳内をネガティブで満たす。




そして…もしも今、叶ったとしても
未来なんてない。








って…

こっちは
いろいろ考えているのに、
何でなんにも言わないの?






「……田島さん。私、
今すごく酔ってて。
今の全部嘘ですから」


膠着状態から脱却するべく
苦しい言い訳をしたら

「嘘つくなよ」とソッコー言われて
閉口した。





「……嘘ですけど
このまま、こうしてても…
どうにもならないし…」


「……ま、そうだけど」


田島さんが腕の力を緩め、
するっと解放される。



体が離れて向き合う状態になり、
真っ直ぐに見つめると
田島さんも逸らす事はなかった。



誤魔化す気はなさそうな
そんな眼差しに見えたけど

……本当のところはどうなんだろう。

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