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Top Page > ラピスラズリ(連載中) > ラピスラズリ 178 帰りの電車

ラピスラズリ 178 帰りの電車

岡田さんと楽しい時間を過ごし、
また飲もうねと約束をして解散した。


混雑しているホームで、
会社帰り、宴会帰りなのか
おびただしく人々が並んでいる。


少し歩いて、列の最後に並ぼうとしたら
後ろから肩を叩かれた。



「遅いね」

「た、田島さん」


まさか会うと思ってなかったから
絶句していたら、
「飲んでるな」と笑っていた。



「岡田さんと飲みに行きました」

「いいなー呼んでよ」

「えぇ?来るんですか?
女子会に?」

「行くよ」


ふわりと煙草のにおいがして、
田島さんの匂いがして、
胸がきゅんとする。


でも、こちら行きのホームに
いるということは……

奥さんのいる家に帰るのかな。


と思いながら横顔を見ていると
田島さんと目が合う。



「萩原と別れたの?」

「あ、はい。そうです」

「そっか。だからこれ乗って
自宅に帰るんだな」



あれ。田島さんも
私と同じようなこと考えてた?

でも、私とは逆だよね。



「田島さんは……
奥さんの所戻るんですか」



「え?」




電車が来た。

人の乗り降りで、
田島さんと離れそうになる。




「山下さん、こっち」




田島さんが、私の手を取り、
奥の方まで進む。


車両のドア付近よりは
密度が低いけど、腕は密着していて。

手が離れて、吊革を握った。


暗い窓ガラスに、私と田島さんの姿が映る。

そのガラスの中の田島さんと
目が合った。

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