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ラピスラズリ 171 悪意

萩原さんの家に置いていた荷物は少ない。

自分でもずっとここにいる気はなかったのか、
いつか出て行く気でいたのか。

紙袋数個に収まる程度のものだった。


コートを脱がないまま、
その紙袋と自分のバッグを足元に置き、
目の前で足を組み座っている
萩原さんを見つめた。




「瑠璃は付き合うのも、別れるのも、
出て行くのも簡単なんだな。
体許すのも簡単だしな。
発情期の野良猫かよ」


この人にも
すごく優しい所があるのも
知っている。


彼の口汚い嫌味の裏側には、
私と別れたくないっていう
思いがあるのも知っている。



わかってはいるけれど、
きっとこの先
あなたのそういう部分に
我慢できなくなる。



「今度は田島の所に転がり込むのか」


「………」


「この前、部の飲み会で
秘書課の子が来てて、言ってたぞ。
お前と田島が怪しいって」


「秘書課?」


秘書課とは仕事でつながりがないので、
誰かわからない。


「ああ。絶対ヤッてるって」


「え?どういうこと?」


その噂に悪意を感じた。

顔が怒りで熱くなり、体がひやりと冷えて行く。

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