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スノードロップ #41 冬

「寒くなったわね〜。
風邪ひかないようにね、ユウくんも」

と言って、ママが出したのは
あたたかい緑茶。





季節は冬。


しかし、最近はあたたかい紅茶だったのに
今日は緑茶…


冷たい緑茶が出ると……
ってジンクスが夏にあったな。


夏と言われたら、
ひと夏の思い出が胸をかすめる。
名前も夏樹だったし。

あれから、
なっちゃんに会う機会は一度もないまま。



「何ぼんやりしてんの。
早く問題やれよ。
ストップウォッチ押すぞ」

「は〜〜い」


ユウくんとは、
告白する前の関係に戻っている。

なっちゃんとのことで
恋愛がよくわからなくなった…ってのもある。


ユウくんのことは
変わらず好きだけど、
たぶん、その気持ちも
ユウくんはわかってるんだけど

今のところ、はじまる気配はない……










と思ってたのに。




「ユキナ、もうすぐ誕生日じゃん」

ユウくんがカレンダーを確かめた。

わたしの誕生日はクリスマス。
イブではなく25日。

その日は、積もるほど雪が降っていたので、
雪那と名付けられた。





「なにー何かくれるの?」

笑いながらユウくんに聞いてみたら、
「いいよ」と言われた。



「何くれるの?あ、でもユウくん
イブは彼女と会うんでしょ?」


優しい笑顔に調子が狂って、
聞きたくもないことを尋ねてしまう。


「彼女はいねーよ、夏からずっと」

「……そうなんだ」

「ユキナは」

「いない………」


ユウくんから、
そんなこと聞いてくるなんて
最近では珍しすぎて、緊張する。




「イルミネーション見に行くか。
クリスマスは」


「……わたしとユウくんが?
そんなの……彼氏でもないのに…」

なんだか、
素直にうんと言えない。


ユウくんは、頬杖をつきながら言った。


「オレがユキナの彼氏でいいじゃん」


え………?


そして、緑茶に口をつけている。
わたしは猫舌だからまだ熱すぎて飲めない。



「わたしのこと、好きかどうか
わかんないって言ってたのに?」


「……今ちゃんと好きだから言ってんだよ。
テキトーにこんな事言えるか」



部屋に飾ってるクリスマスツリーの電飾が
ユウくん越しに光るのが見える。


夏とは違う、ユウくんの眼差し。




「わたしも………」



好きという言葉より先に、涙が落ちた。




どちらからともなく顔を近づけて、
静かに唇が重なった。



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