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スノードロップ #32 ばったり

さっきいた公園前を横切る時
なっちゃんが手を伸ばしてきた。


「・・・?」

「つないでもいい?」


なっちゃんはにっこり。
わたしの願いが通じたのかな。


温かい手をとって、
ぎゅうぎゅう握り合う。


「痛いよ」と笑うなっちゃんに
切なくなった。


なっちゃんは、本当に
アイリちゃんのこと、
もういいのだろうか?


聞きたかったけど、
蒸し返すのもよくないのかな…と
考えているうちに、改札に着いた。


今日はありがとー、というつもりでいたら、
なっちゃんはICカードをかざし、
わたしと一緒に入場した。


「なっちゃん、別線なのに!」

「あ、迷惑だった?」

なっちゃんは少し身を屈めて
わたしの顔を覗き込む。

その表情はすこし不安そう。


「迷惑なんかじゃ…」


迷惑じゃない。その反対。
大事にされているのが嬉しいよ。

混雑しているから、ずっと立ったまま。
ずっと手もつないだまま。


家まで送ると言ってくれたけど
終電の時間もあるし、
わたしの駅のホームで
解散することにした。



ふたりでホームに降りる。
彼はまた反対のホームまで行って、
自分の家まで乗ってゆく。



手をつないで階段を降りる直前、
誰かにぽんっと背中を叩かれた。


「・・・?」

わたしが振り向いたら
なっちゃんもつられて振り向く。



「デートか」


そこにいたのは…


こわいほど笑顔の
ユウくんと、女の人


女の人は、例によって
ふわふわのかわいらしい系。


わたしと目が合うと、
にこりと天使のように微笑み、
ユウくんにきゅっと寄り添う。


「ガキがこんな遅くまで
遊んでんじゃねぇよ、ボケ」


ユウくんは、わたしたちを追い越して、
さっさと改札を出てってしまった。


「…あれが、いとこの?」

「…ユウくん。」

「……」


あのおとなりの女子は
誰なんでしょうか…
彼女いないって言ってたのに。


いや、それならわたしだって
なっちゃんとこんな…
手だって恋人つなぎなわけで。
しかもそれが嬉しいわけで。


てゆうか、ユウくん、
こわいほど笑顔だった…

あの人の前では、
あんななの?


ああ、それより
なっちゃんに悪い、
こんな…





こんなことで傷ついてたら…







言葉もなく
立ち尽くしてしまったわたしに、
なっちゃんはよしよしと
頭を撫でてくれた。

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