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ラピスラズリ 77

「どういう意味って…」


こんな真っ向から聞かれるとは
思わなくて、ドギマギして背を向けた。

誤魔化せる理由を一所懸命探しても、
何も出てこない。

“指輪をしていればよかった”なんて
おかしな発言だよね……



田島さんは全くいつも通りに笑う。


「特に意味なかった?」

「そ…そうですね………」



と言う他ない。



「……なんだ、意味ないのか。
ちょっと期待しちゃったじゃん」



ドキンと心臓が波打った。


田島さんは、少し気まずそうに
「ちょっと事務所見てくる」と
資料室を出て行った。


バクバクバクと激しい鼓動は
田島さんが去っても止まらない。


期待しちゃった…って何。


期待しても何もないよ。
奥さんいるのによく言うよ。
これから喰うフラグ?
派遣だから後腐れないし、とか。



私は、道を間違ってる場合じゃない。

正しい道で、好きなひとを見つけて
誰も傷つけることなく、
みんなが祝福してくれるひとと
結婚して幸せになって……



抱えていた資料を棚に置いた。


普通なら、好きなひとが
気にかけてくれて
こんな嬉しいことないのに。
悪態ついて、自分の気持ちを
必死で誤魔化す。



田島さんには奥さんがいる

呪文のように心に刻む。



私は何やってるの?

……正しい道って、何?

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