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スノードロップ #13 おためし

屋上につく。
最上階は風が強い。

柵になっている手前の、
段差がある所に腰を下ろす。

ユウくんは立ったまま
タバコに火をつけた。


「ヤンキーだ」

「誰がヤンキーだ。
家で吸ったら母ちゃんがうるせーからな」

「ベランダで吸ってるんだよね、
真理さんから聞いた」

「はー、筒抜けだな」

真理さんはユウくんのお母さんで、
うちのパパのお姉さん。

豪快でいて情に厚い真理さんは、
人見知りのうちのママとも仲がいい。


ペットボトルの紅茶を開けて飲む。
風が強くて、灰が落ちたのが見えた。

「ユウくん、吸いがら持って帰っても
灰飛ばしたらダメなんじゃない?
管理人さん掃除大変…」

袋の中に入ってるレシートを取り出し、
ほうき代わりにして落ちた灰を集めていたら、
火を消したユウくんが隣に座った。


「ユキナ」


「…はい」


ユウくんの改まった様子に、
手を止めて座り直した。



「おまえのこと、
家族として好きは好きだけど
なんかよくわかんねーんだよ」


「…はい」



しいーん・・・




静まった。




え、これで話終わり?




「あのう…
わかんないのに、キスしたの?
キス、なんでしたの?」

「うーん…」

本当にわからなさそうな22歳。


「き、鬼畜だ…」

「や…うーん…なんてゆーか…」


俯いて悩んでいたユウくんが、
パッと顔を上げた。


「ユキナが、他の男に…
って考えたら、すげー嫌。」


それって…
ジェラシーですか?


「独占欲?」

「うん。」


うんって…!!



「ユウくん…」

「何ですか」

「わたしのこと好きだと思うよ!」

「なんでそんな自信あんの…」

苦笑するユウくんもかわいい。
どうしようもない感情に襲われて、
ユウくんの腕に抱きついた。


半袖とノースリ。
汗ばんだ腕がぶつかった。


「こんな中途半端だよ、オレ」

「それでもいい」

「好きかどうかわかんねーとか言ってるし」

「いいよ、…いいの、それでも」


我ながら
追いすがりすぎだけど

こうでもしなきゃユウくんが
離れてっちゃう気がして。



「…じゃ、つきあう?」


困り半分のユウくんの声。


腕に抱きつきながら頷いた。

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