Clarice Fantasy

大人の女性向け恋愛小説置き場。たまにR-18
           

Top Page > スノードロップ > スノードロップ #12 夜のコンビニ

スノードロップ #12 夜のコンビニ

靴を履いて、ユウくんと廊下に出た。


「あっつ…」

「あついねぇ」


夜10時半、この日は熱帯夜。

エアコンの室外機の熱風が
レンガ仕立ての廊下の中に
充満していた。


エレベーターに乗って下に降りる。

やばい。顔が笑う。
デートみたいで
うきうき舞い上がりそう。

くふふと笑いをこらえるわたしに
ユウくんが言った。

「おまえ、肩出し過ぎじゃね?」

「…そう?だって暑いし…」

「ふぅん」


肩の出し過ぎ…
フツーのノースリですけど…


そんなこと、
言ったことなかったのになー。

ユウくん、パパみたい。



どうやらユウくんは、
タバコを買いに来たらしい。

「ジュースとかお菓子とか、
好きなの選べよ」


なるほど、お菓子ですね。

とりあえずじゃがりこと
とりあえず紅茶を買い、
一緒にお会計してもらった。


ちら…とユウくんの顔を見る。

店員さん(男性)には
丁寧な態度なんだなあ。

わたしには雑だけど。


ユウくんが袋を持つ前に
奪うように取り上げた。

「わたしが持つ!」

「ま、おまえのなんだけどな」


ユウくんはタバコだけ取り出して、
ふっと微笑んだ。


マンションのエントランスの
ミラーに映ったわたしたちを
横目で見る。


18歳と22歳は、客観的に見ても
へんな感じはしないよ。

そんなにわたし、子供じゃないよ。

いとこっていうのが嫌なのかな。

そこは変えられないもんな…



エレベーターを待ちながら
ユウくんが言った。


「屋上でタバコ吸うけど、来る?」

「・・・行くっ!」


小さい頃、マンションの子たちみんなで
基地にしていた屋上。

ある時から有刺鉄線を張られて、
立ち入り禁止になり、
それからは行ってない。


「今も柵の中入れるの?」

「や、入りはしないけど、
手前でよく一服を…
考え事する時とか…」

「奥村さん(最上階の角部屋の人)に
見つからない?」

「吸いがら持ち帰ってるし、
部屋からも離れてるから、
おまえが騒がなけりゃ大丈夫だ」

「騒がないよ(笑)」



そうしてエレベーターに乗り込む。
ふと、ユウくんが笑った。

「懐かしーな。
奥村さんによく怒られたよなぁ…」

「このご時世に貴重な方だよね」

「そうかもな」


久しぶりに
ユウくんの無邪気な笑顔が
見られて、嬉しかった。

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

関連記事
該当の記事は見つかりませんでした。