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スノードロップ #8 金曜日のお勉強

そうして、金曜日。
ユウくんが来た。


「厳しくしてねー、ユウくん。
ユキナ危機感ないのよ~」
とママが言う。


ユウくんが、
ママの言葉に笑いながら、
部屋に入ってきて、
パタンとドアが閉まる。


ほんの一瞬、沈黙のあと

「…言ってたところ解いたか?」

とリュックを下ろしながら
ユウくんが言った。

「うん」


イスを並べてふたりきり。
解いた章を見せて、確認してもらい、
新しい課題が渡される。


ユウくんとの間には
本気で何もなかった雰囲気。

蒸し返す勇気も
なくなっていたから
ちょうどいいのかなと思った。



ユウくんから出された
課題を解いていたら、
ママが飲み物を持ってきた。

これはいつものこと。


始まってすぐに、いつも
烏龍茶を持ってきてくれていた。


「今日は緑茶なの~」
というママ。


「珍しいね」

「オレは何でもいいすよ」

「よかったー。じゃあ、ごゆっくり」

ママが出ていった。




グラスに氷たっぷりで、
キンキンに冷えた緑茶。

ユウくんは一口飲むと
「うまいな」と言っていた。


勉強が始まって1時間は
集中力が続いているので
雑談もなく、
意外と毎回真面目にこなす。




長文問題を解いている時、
ベッドの上に置いてあった
わたしのスマホが鳴った。




放置していると、ユウくんが
「スマホいいのか?」と言った。


「んー、放ってていいよ、
後で見るから…」

わたしは問題を解くのに必死で
適当な返事しかせず。


もう一度スマホが鳴った時、
ユウくんがベッドに座って
わたしのスマホを手に取った。


そして、小さくつぶやく。


「……こいつ、男?」

「えっ?」



くるりとベッドを振り返ったら、
ユウくんがわたしのスマホを
いじっていた。


ちょっ…!勝手に!

しずかちゃんや
ハタガヤくんに
切切と語ってる
ユウくんへの想いを
読まれてしまったら、ひかれる!

わたしはベッドに上がって、
ユウくんの膝に跨って
スマホを取り上げた。



「なにすんの、へんたい!」

「内容まで読んでねーよ」

「返して」


両手で取り上げて、内容を確認すると、
ハタガヤくんのLINEだった。
しかも超雑談の内容で、
急ぐ用件でもない。


ほーっと胸をなでおろして
スキニーの後ろポケットに入れた。
おしりがぱつんぱつんで入りにくい。


ユウくんは、
そんなわたしを見ていた。

「ちゃんと男いるんじゃん、よかったな」

「男の子だけど、
へんな関係じゃないよ、ともだち」

「向こうはそんなことねーだろ」

「は?」


やけに突っかかる言い方をする。

「…いいじゃん、ユウくんは
わたしのことウザいんでしょ。
放っといて」


「ウザいなんて言ってねーだろ」


じゃあ…なに?


ユウくんのほうを見ると、
苛立たしそうにわたしを見ていた。


「こわい、ユウくん」

「オレはいつもこんなんだよ」

「そんなことない、今日は怒ってる…」

「え?聞こえね」


ママたちに
聞かれないように、
小声で話しているから
聞きとれない。


わたしは、
ベッドの上にいるユウくんの耳に
顔を近づけた。



その時。

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