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ラブホリック スピンオフ 21-夏の終わりの非常階段。

夏が終わる頃、月曜の朝、
コンビニで買ったコーヒーを下げて、
上りのエレベーターを待っていた。


暑いからすぐにでも飲みたい…

誰もいないので、袋をガサガサと開けて、
コーヒーのパッケージを覗いていると、
靴の足音が近づいてきて、顔を上げた。

「おはよ。早いな」

矢野さんはあくびをしながら、
すでに押してあるエレベーターのボタンを押す。

久しぶりに近くで見た。
少し緊張して、顔が見られない。

「…矢野さんも早いですね」

「オレはいつもこの時間だからな」

タバコと香水のまじった匂い。
矢野さんの匂いがした。

「あー、先に一服しに行くかな。ななちゃんも来る?」

「非常階段ですか?」

「行ったことある?」

「いえ、まだ…」

矢野さんは私の前を歩き出し、
通路を通ってドアを開けた。

そこには、簡単な灰皿と自販機がある。

むっとして暑いけど、柵から見える風景に、
ちょっとした解放感がある。

リフレッシュするにはいい場所かも。


矢野さんは胸ポケットからマルボロとジッポを出し、
壁にもたれて火をつける。

相変わらず、かっこつけてるなぁ(笑)

私は矢野さんより風上に立って、
袋からコーヒーを出してストローをさした。

なにか話さなきゃと思っていたら、
矢野さんは仕事絡みの話をいろいろしてくれた。


私の返事に目を細めて答える矢野さん。

とても優しい。

彼女にも、そんな顔見せてるんだろうなぁ…

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