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ラブホリック スピンオフ 20-ほのかな恋心。

矢野さんとは乗る電車も違った。

わたしは、岡田さんと一緒。
アサミと仁科君は会社近くで一人暮らし。

「じゃあね、ユキ」

アサミたちと手を振り合って、改札の中に入る。
矢野さんの姿は、人に紛れてわからなかった。

「ななちゃん、仕事どう?」

岡田さんが明るくきさくに話しかけてくれる。

「覚えることばっかりだよ。岡田さんも開発ハードそうだね」

「んー、でも思ったより楽しいな~。3課は部活のノリだよ」

「いいね、活気があって」

「そうそう。矢野さんが元気だからね。
 そう言えば、矢野さんの彼女って、
 遠恋なんだけど超かわいいらしいよ」


唐突に岡田さんの言葉が飛び込んできた。

か、彼女?


「あ、そうなんだ」

「大学の時からだから、つきあって7年?長くない?」

「へー…長いねぇ」


矢野さん、彼女いるんだ。
いるとは思っていたけど、そっかぁ…

7年も…意外と一途なんだ。
ああ見えて…

そっか。


何とも言えない気分になり、
岡田さんが話し続けていたけど
ほとんど耳に入って来なかった。


「あ、私じゃあ降りるね。ななちゃん、ばいばーい」

「うん、お疲れさま―」

岡田さんが最寄駅で降りて行き、ホッとした。
空いた席に座って、目を閉じる。


危なかった。
彼女がいることを知れてよかった。

もうちょっとで、好きになってたかもしれなかった。
矢野さんに惹かれていたことは、認める…

小さくため息をつく。

…恋愛より、今は仕事だ。


その日から、できるだけ矢野さんのことを
考えないように努めた。

最初の頃は切なかったけど、
顔を合わさなければ、淡い恋心も薄れて行った。

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