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ラブホリック スピンオフ 18-ビアガーデン。

「おつかれさーん」

高畠さんの景気のよい乾杯の掛け声で、
ジョッキがぶつかる。
ビアガーデンに来たのは初めてだった。


熱気がすごくて、肩に掛けていたカーディガンを外す。
周りは仕事帰りの人や、学生さんがいた。

「あたしビール追加してくる」

わたしはいちばん端っこに座っていて、
わたしの右隣に座っていたアサミは、
一杯めをすでに飲みほして、行ってしまった。

そして、一気に飲んだメンバーたちは、
アサミに続いて離席していき、
席にはほとんど誰もいなくなった。


そんな中、仁科君は岡田さんと、
離れた席で二人で何やら談笑中。

岡田さんに恨みはないけど、
仲良くしている姿に何だかヤキモキした。


仁科君、アサミのこと好きなんじゃなかった??


わたしがどうこう言う筋合いは全くないんだけど、
八方美人め…と苦々しい思いで見ていた。



すると「ここ空いてる?」と左側から声がした。

ちょっと息を切らした感じで現れたのは矢野さんだった。



「あ…空いてますよ」

「じゃ、ここ座ろ」

急に登場したから、心の準備が全くできていない。
声も裏返りそうになった。

矢野さんは巷で言う「お誕生日席」に着いたので、
なんとなくおかしくて笑った。

「なに」

怪訝そうな表情のあと、にやっと笑っている矢野さん。

暑そうにシャツの袖をまくり、
ポーターのバッグを足元に置く。


「そこ、お誕生日席だなと思って」

「(笑)実際の誕生日は過ぎたけどな」


矢野さんは笑いながらタバコを咥えて、火をつけた。
カシャン、とジッポの音がする。

「いつですか?お誕生日」

「5月。ななちゃんは?」

「3月です」

「お互い過ぎてるな」

わたしに煙が掛からないように
吐きだす矢野さんに、灰皿を差し出した。


「おう、ありがと。前のメールも」

「あ、はい…」


わー。メールの話題が出た。
社内メールのやりとりをしたのは、結構前の話だ。

いろんな気持ちを詰めて送った一言を、
感じ取ってくれていたような気がして、
胸がくすぐったかった。

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