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ラブホリック スピンオフ 13-初めてまともに会話。

矢野さんは「暑い」とジャケットを脱ぎ、
隣のイスに掛けた。

その様子を、お茶を飲みながら
眺めていると目が合った。

「仁科とか、三輪と仲いいの?」

「あ、はい。
 この前の研修で仲良くなったんですけど、
 わたしも開発部行く気だったので、
 ちょっと寂しいです」

そう言うと、矢野さんが笑う。


矢野さんは、思ったより、
優しいような気もする。


「いいじゃん。案件の流れ覚えた後は契約管理?」

「そうみたいです。荷が重くて…」

「えー。羨ましい環境だけどなぁ。
 オレは開発部しか知らないし、
 契約の勉強もしたいしー」

「そうなんですか…」

噂通り、好奇心旺盛…
行動的な人なんだな。


スーツ、すごく似合ってる。

おじさんや、オタクっ気のある人たちの中で、
この人が少し目立つのも分かる気がする。



沈黙が流れたので、こちらから話題を出してみた。

「今日ね、管理部で歓迎会なんです」

「あ、そうなんだ。ななちゃんの?」

「はい。小林部長が来られてるので、今日…」

「うわ。マジか。」

突然、怪訝そうな顔で言うので困惑した。

な、なに?

聞き返そうとすると、
エレベーターの方から、開発部の先輩が走ってきた。


「あー、矢野君!電話入ってたよ。本社から」

「あ、戻ります」


矢野さんはサッと立ち上がり、
ペットボトルをゴミ箱に放り込むと、
ちらっとわたしを見て「気ーつけろよ」と言った。


えっ、何に!?


聞ける隙もなく、矢野さんと開発部の人は
エレベーターで上がって行ってしまった。


何だったんだろう。

何に気をつければ…


ぽつんと取り残されてしまい、
頭の中はハテナでいっぱい。


…わたしも戻らなきゃ、宴会が始まっちゃう。

お店には、管理部メンバー一同で
向かうことになっていた。

矢野さんの言葉が引っかかりつつも、
崩れたメイクを直して
自席まで荷物を取りに戻った。

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