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ラブホリック 408-我が子が生まれた冬の日のこと。

その時矢野さんはどうしていたのかあまり記憶にない。

立ち会い分娩だったので、分娩台の隣にいたのかも。
飲み物を飲ませてくれたのは少し覚えている。



最後までいきみたい感覚もなく、
「いきんで」と合図されても
いきみ方がよくわからず、悪戦苦闘していたが
分娩台に乗ってから2時間で何とか生まれた。



「お疲れさま!女の子だよ!」



助産師さんの声とともに、
ほにゃ~…と泣き声が聞こえる。

本当に赤ちゃんがお腹にいたんだ…
というのが最初の感想。

やっと終わったと安心した気持ちが大きかった。




この1ヶ月後から体調を大きく崩し、
寝れない育児とのダブルパンチで
ボロボロになることもつゆ知らず、
その日を境に元気いっぱいになったわたし。



ホッとしながら縫われ終え、ふと見てみると
矢野さんはがっつり泣いていて…


「ユキ…ありがとう…」と拳で涙を拭っていた。
その姿を見て、立ち会ってもらってよかったなと思った。



そうしてるうちに処置をされた赤ちゃんが戻ってきて
助産師さんに、胸の上に置かれた。



うまれたてほやほや。
新生児は、想像していた赤ちゃんと違っていた。
顔にキズはあるし、おさるさんみたい。



君が一番お産がんばったんだもんね。



その小さな手に触ると、ぎゅーっとわたしの指を握る。
何よりも愛しい存在に思えた。



矢野さんも、わたしの肩越しから
じっとコユキを見ている。

「オレ…しっかり働かないと…」とつぶやいたので、
その発想がなんとなく矢野さんらしくて笑ってしまった。




こんにちは、コユキ。


生まれてきてくれて本当にありがとう。



これから歩んでいくあなたの人生が、
実りあるものになりますように。

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