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ラブホリック 405-孤独な安静生活。

安静生活が始まってからは、
また落ち込みがちになった。


アサミともたまにメールは交わすけど、
育児に忙しいし、なかなか難しい。

栗栖さんも連絡くれたりするけど、
他の友達も、平日はみんな働いている。

孤独だった。



外の景色がみたい。
普通の生活が送りたい。
そんな欲求が常につきまとう。


合併症の方の受診も月に一度になり、
病院に行く機会も減った。


それすらも残念に思うほど、
外の世界に憧れた。




つわりの時期も本当につらかったが、
あの時と違ったのは、
赤ちゃんの胎動があったこと。



妊娠してからずっと不安は尽きなかったけど、
赤ちゃんが元気に動いていると、
悶々と過ごしているのが
少しだけ晴れるような気がした。




そんな頃、唯一わたしに外の風を
吹き込んでくれるのは矢野さん。



帰宅後に、社内の様子を聞くのが
何よりの楽しみだった。



スーツから、外の空気の匂いがした。
文字通り、外の風も運んでくれていた。


わたしが匂いに敏感なので、
香水はお休みしてもらった。

そのスーツの匂いがなぜかとても好きだった。




矢野さんとは、つわりが明けてから、
再び同じベッドで寝るようになった。


何もしない。

ただ手をつなぐだけだった。

それがとても落ち着いた。

一人じゃないんだという安心感があった。




「ねえ。さわってみて」



二人ベッドに横になったまま、
矢野さんの手をわたしのお腹に当てた。

いささか緊張した様子の矢野さん。

ぼこっとした感触があったみたいで
「うわ!蹴った!」と
テンション上がっているのを見て、笑った。

「いいボール蹴りそうだな」と
男子が生まれる前提で考えている、
元サッカー部のプレパパさん…


わたしは性別はどっちでもよかった。
とにかく赤ちゃんが無事に生まれたらそれで…


「ねえ。女の子かもよ?」

「…」


返事がない。
女の子だったら、溺愛して口うるさくしそうだもんね…(笑)




その頃から名前を考え始めたり、
二人で赤ちゃんの未来に思いを馳せたりした。

そうやって、二人で未来を考えるのが
何よりの気晴らしになった。


名前の趣味が、笑ってしまうほど
合わなかったこともあったけど、
最終的には、矢野さんが

「ユキが産むんだし…大変だったし…ユキが決めていいよ」

と折れてくれて決着がついた。(笑)

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