Clarice Fantasy

大人の女性向け恋愛小説置き場。たまにR-18
           

Top Page > ラブホリック > ラブホリック 404-自宅安静開始。

ラブホリック 404-自宅安静開始。

そして20週のころ。
子宮頸管が短くなっているから、
安静にと言われた。

あるはずの長さが平均の人の半分しかない。
そういえばお腹がよく張っていた。

次短くなっていたら入院。
とりあえず自宅で安静にしてと
切迫早産についての紙を渡され、
自宅ではトイレ以外は横になるよう指導された。


フラフラして動けないだけじゃなく、
動いてはいけないことになった。

またつわりの頃のように、
ベッドの上の生活に逆戻り。


ろくに出勤できない状態に
ある晩、矢野さんが言った。




「もう、仕事やめれば。限界だろ」


「……」

じっと矢野さんの顔を見ると、
目を伏せられてしまった。


矢野さんも言いづらかったと思う。

こんな形で辞めたくない気持ちは
誰よりわかってくれていたと思う。

こんなにみんなに迷惑かけて…
でも、ここで無理して、
取り返しのつかないことになったら。


情けなくて涙が出たけど、
頷くより他に答えはなかった。


わたしが頷くのを見て、矢野さんは
ぎゅっと手を握る。

「また、戻れるよ。」

矢野さんはいつまでも髪を撫で続けてくれた。

あんまり泣くとお腹が張ってしまうのに
その日は涙が止まらなかった。




この会社で働いてよかった。
いろんなことがあった。
いいことも悪いことも、数え切れないほどあった。


仕事が大好きだった。

この会社も。

みんなも。



大事なもののために、何かを犠牲にしなければ
抱えきれないことがあると知った妊娠6ヶ月の頃。


わたしは退職した。





そうして仕事をやめて、一日中ベッドの上。
テレビを見たり、PC触ったり…

なかなか時間は過ぎない。

安静というとのんびり過ごせそうに思うけど、
何かの修行や拷問のように思えた。

座っていてもよくないので、
常に横になっていなければいけない。

平日、矢野さんが家を出て帰ってくるまで、
途方もない時間に感じた。

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

関連記事
該当の記事は見つかりませんでした。