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ラブホリック 392-さようなら、東京。

そうして7月に矢野さんが
戻ってくることになった。


やっばり3課の課長になった。

仁科君は2課に異動しているので、
矢野さんはアサミの上司になった。


月末に東京の家の片付けと
退去の手続きを手伝いに行った。


担当者が来るまでの間
二人で窓からの風景を撮る。

そして矢野さんの姿も不意打ちで撮る。

「おい!イケてないとこ撮るなよ!」

キマってない顔は嫌だとのこと。
いつもと変わらないのに…

もう一枚、キマってるらしい姿を撮っておく。
きっとこれもまたいい思い出になる。



1年たらずの間だったけど
思い出の詰まった部屋。
バスルームも撮っておいた。

「狭かったけど、悪くなかったよな」
と矢野さんが言った。

ふらふらしてたわたしを
よくここで抱きしめてくれたなぁ。


感傷に浸っていると矢野さんに
パーンとおしりをたたかれた。

「ちょっと…やめてくれる!?」

「だって泣くだろ。」


たしかに、ジーンときてたけど…

退去の手続きを無事終え、鍵を返す。
なんともいえない寂しさがこみ上げた。



そして、東京駅へ。

もうホームで
バイバイって言わなくていいし、
見送らなくていいし、
一人で乗らなくていいんだ。

もう、離れて暮らすことはないんだ…


「マサキがここにいるって不思議。」

「オレも」


矢野さんは平然とした様子で
わたしの手を握り、嬉しそうに笑った。


離れ離れの生活が終わった。
これから、新しい生活が始まる。





地元までの新幹線の中。
矢野さんは大きくあくびをした。


先週は送別会などなどで
宴会続きだったみたいだし、
駆け込み終了の案件もあったし
疲れもたまっていそうだった。

「あー。そういや、池田や向井が奥さんによろしくって」

「ああ~またお会いしたいなー…」

向井さんもだけど、
本社開発で矢野さんの下にいた池田さん。
なかよくしてくれたなー…

頭の中で思い出を辿っていると
「あと、菊池も。」と付け足された。

…橘さんが?

わたしがピクっと反応すると、矢野さんは
「話しかけてくるんだからしかたねーだろ…」
と委縮していた。(笑)

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