Clarice Fantasy

大人の女性向け恋愛小説置き場。たまにR-18
           

Top Page > ラブホリック > ラブホリック 384-彼の決意。

ラブホリック 384-彼の決意。

「ユキちゃーん。ただいま~」

1時前じゃん。

矢野さんは、非常に明るい調子で
わたしにハグした。


おお…相当飲んだようで…。
頭にネクタイ巻きかねない勢い。


「ユキー、好きだよー。なあ、浮気してない?」

「してないよ」

何言ってんのホント…

ジャケットを脱がせて、
ネクタイも取ってあげると、
思いっきりディープキスされて
全力で抵抗した。(笑)

「ひでーなおまえ…旦那だぞ」

「ちょっとマサキ、水飲みな」

「口うつし~」

「いいから早く飲みなさい」

矢野さんにペットボトルを手渡すと、
ガッと一気に飲み干し、
空になったペットボトルがカーペットに転がった。

そして矢野さんもベッドに転がった。

「もう、投げないでよ」

よいしょ、と拾っていると、
天井を見上げている矢野さんが静かに言った。



「ユキ、仕事やめる気ない?」


「え?どうしたの?」


「いや…違うな。ユキはどっちでもいいや。
 オレ、会社やめようかな」


ええっ…


と声に出すのはやめた。


妻ではなく同僚として、
矢野さんがそう言うのも納得だった。


誰よりがんばってきたのを知ってる。

いろんなもの犠牲にして。


今まで口には出さなかったけど、
きっと矢野さんの頭の中には
ずっと考えがあったんだろうな。

清水さんだってキャリア組だし、
年齢的にもまだ他社で挑戦はできる。

「マサキなら…どこにいってもやれるよ」

そう言うと、少しスッキリしたような顔で
矢野さんが笑った。


酔っ払いの矢野さんは
シャワーも浴びずに寝てしまった。

わたしは、うたたねしていた分
眠気はあまりなくて
ずっと寝顔を見ていた。



矢野さん…
嫌なことがあっても何にも言わないからなぁ…



わたしの仕事の愚痴は
笑って聞いてくれていたけど、
矢野さんもいろいろ思うことはあったんだよね。


きっと嫌なこといっぱいあったよね。


もう心は決まってるのかな。
気付いてあげられなかったな。


そっと寄り添って目を閉じた。





朝になり、目が覚めると
シャワーを浴びた矢野さんが
わたしの隣に座っていた。

「おはよ。」

と、わたしの顔を覗き込んでいた。


「おはよう…えっ、寝顔見てた?」

「おう。気持ちよさそうに寝てたな」

昨日はわたしも散々寝顔見たけど
見られたとなると恥ずかしい…


身支度を整えて、ホテルを出た。
近くで朝ごはん食べようとまた
コーヒーチェーン店に寄った。

矢野さんは、仕事の話は一切しなかった。
昨夜言ったことも覚えてないのかも。


蒸し返すようなことじゃないし、
決意が固まっていたらまた
言ってくれるだろうから、
こちらからは聞かないことにした。



転職か…



わたしは今のまま、働いていけるのかな。



アサミの妊娠を思った。

わたしもいつか、ママになれるかな。
この会社で、働くママになるのかな。

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

関連記事
該当の記事は見つかりませんでした。