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ラブホリック 362-電話越しの泥酔。

その晩。

矢野さんの電話があったのは、
日付を超えてからだった。

もう寝ようという時にかかってきた。

…それはそれは酔っ払って。

ちょっと何を言っているのか
わからないほど、ろれつも怪しい。

どんだけ飲んだのー。

飲まされたの?

「マサキ、もう寝なよ。泥酔じゃん」

『なんだと~?』

「なんだとーじゃないよ。もう寝た方がいいよ」

橘さんとどう接したのかは気になるけど、
そんなこと聞いている場合でもない。

明日も早いでしょ、と
なだめて切ろうとすると、
矢野さんのトーンが急に変わった。

『寂しい。オレやっぱ遠距離無理』

・・・

しらふの時なら素直に聞けるけど、
その時はどうにも無理だった。

「わかったから寝なって!」

つい語気を強めてしまった。
すると、矢野さんはぽつりと言う。

『何で寂しいって言ったらダメなんだ?
 何でおまえは寂しくないんだ。わかんねーよ』



またそれを言う。




自分の気持ちが
信じられていない気がして、
それを言われるのが苦痛だった。


だって、一緒に落ち込んでも
仕方ないじゃない…


「もう、切るね」

『…おう』




酔ってて、ちょっと甘えただけかもしれないけど…

一緒に「寂しい」って落ち込んでも、
どうにもならないじゃない。


なんかこういうこと増えたな…
言い争いのような雰囲気。

仲良くしたいのに、
なんでうまくいかないんだろう。







「ななさん…元気ないですね」


仕事中に栗栖さんが小さな声で一言。

「ん?そんなことないけどな…」

「ため息出てますよ」

うそー。

「ごめん…出てたんだね」と苦笑した。

「仕事、振ってくださいね。
 私ができることなんか少ないですけど」
と、栗栖さんが拳を作って言ってくれた。

「僕もやりますから」と高原君。
梶君も、前髪を気にしていた指をとめて、頷いた。

抱え込まないように気をつけます…

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