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ラブホリック 357-新幹線のホームで彼を見送る。

翌日、さっそく不動産屋さんに行って
2件ほど物件を見せてもらった。

お風呂の広さは、まぁ普通。

文句はないけど気にいるわけでもなく、
また来ますと店を後にした。


結局、会社からひと駅離れた
B線の駅で新居を考えることとする。

家賃は高いけど、
東京のマンションほどではなかったし
ゆっくり決めればいいところがありそうだった。



「だいたいの場所は決めたし、もう少しリサーチするか…」
と矢野さんが言う。

ここは新幹線のホーム。
矢野さんの見送りで来ている。
発つより、見送るほうが寂しい気がした。

「来週はわたしがそっちに行くね。
 勉強はできてる?
 GW開けたらすぐ試験始まるんだよね?」

「んー。渡辺さんから問題集もらったけどな。
 ちょっと古いけどまぁ、本屋で新しいの探すよ」

あ、渡辺さんとそういう話してたんだ。

「渡辺さんがマサキに『がんばれよ』って言ってたよ」

「はは。あの人も今や社長だよな…勝ち組だ」

二人でくすくす笑う。貫禄のない社長だ。
でもきっと成功する人だと話した。

新幹線が来た。
つないでいた手が離れて、矢野さんは荷物を肩にかけた。


「じゃーな。また来週。ちゃんと連絡しろよ」

「うん」

あれ。
無意識に涙がにじむ。

わたしの目が潤んでいることに
気付いた矢野さんが、
しょうがねーな、という感じで笑った。

「オレだって離れたくねーよ」

矢野さんは黙って少し近づいた。
ここでキス?
周りを見渡すまでもなく人がいる。

「…無理だな。(笑)」

「うん。(笑)」

キスを断念し、矢野さんは普通に乗り込んで行った。



窓の向こうから、矢野さんの口が
『好きだよ』と動いて、そこで涙腺が決壊。


涙を拭いながら
新幹線が見えなくなるまでホームに立っていた。

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