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ラブホリック 345-送別会に飛び入り参加して泣く。

「ななちゃん来たの!おつかれさま。
 荷物すごいね。ここ置きなよ」

「うん(笑)あ、ありがとう。渡辺さんは?」

「奥だよ。もうお開き寸前だから行ってきなよ」

促されるまま靴を脱ぎ、
そろそろと入室した。



「あーっ!!ななちゃん!サプライズゲスト!?」


渡辺さんが一番に気づいて下さった。
いつもと変わらない笑顔を見ると
また涙腺が崩壊。


本当わたし、本社でも支社でも
どんだけ泣いてるの。


渡辺さんは笑いながらビールとハンカチをすすめてくれた。

駆け付け一杯的な感じでビールを飲み、
ハンカチで涙を拭いた。

「渡辺さん、この前本社で会った時、
 何で何も言ってくれなかったんですか」
と言うと、渡辺さんはニコニコしていた。

「あんなところで『辞めるんだよー』なんて言えないしねぇ。
 七瀬さんは支社戻ってくるんだね。がんばんなよ~」

「はい…」

「矢野にも言っといて。『がんばれよ』って」

少し含みを持たせたような笑顔の渡辺さん。


矢野さんがマネ試験受けること知ってるんだ。
渡辺さんの後釜で支社に戻るんだもんね。


「伝えておきます!」

おしゃべりで噂好きだけど親しみやすくて
渡辺さんの周りにはいつも人がいて、
開発部に関わっていたわたしも
たくさんお世話になった。

ご挨拶できて本当によかった。



そして宴会は一本締めで終了。

あとはみんなで写真を撮ったり、
連絡先交換したり。
みなさんは二次会へ行く。

「ユキ、間に合ったね!渡辺さんの人望の賜物ですよ」
とアサミが言った。

わはは~と笑う渡辺さん。
改めて最後のご挨拶をして、そこでお別れをした。





キャリーを引きながら電車に乗る。

わたしの実家はA線沿いにあるので、
途中、ケイゴさんの薬局の最寄り駅を通り過ぎて行く。

電気が消えた薬局が、明るい電車の中から
かろうじて見える。


もう…心はざわざわしない。
切なくなることもない。

ただ、懐かしいだけだった。

実家に着くと、両親が迎えてくれた。
夏に使っていた部屋はそのままで
掃除してくれていた。

疲れたので、会話もそこそこに
お風呂に入ってベッドに潜る。


矢野さんはまだ宴会っぽいなー…

今から寝る、とメールを打ちながら
スマホを握りしめて、眠りについた。

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