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ラブホリック 330-ネガティブに荷造り。

定時を大幅に過ぎ、人が少し減る。
そんなオフィスで、支社に送る荷物を
作りながら考える。

わたしがいなくなる日から、
橘さんはここで働き始めるんだ。


…ほんと会社は、
矢野さんをいつ支社に返すんだろう?

昇進試験受かっても、最低半年ほどは我慢だよね。
受からなかったらどうする気?
わたしだけ戻されたままなんてことないよね?

考えは悪い方へどんどん転がる。

橘さんも、いくら元カノ?とは言え、
矢野さんも彼女も結婚してるし、
そんなドラマのような展開はない…
と信じたいけど…

先日、「矢野さんを信じてる」なんて
言い切ってたわたしはどこ行った?

全然余裕ないし!

も~~。
むーり~~。


ダンボールにガムテを貼り終え、
集荷手続きを取る。

1時間以内に集荷に来てくれるそうで、
それまで仕事して待つことにした。


明日はいよいよ辞令日。
さすがに、明日には矢野さんの
今後も教えてもらえるはず。

夕刻に辞令通知が出て、リス管部を始め、
組織改正の大々的発表となる。
その後は管理部送別会。


わたしがここを去るのは30日夜。

本社にいるのも、
矢野さんと一緒に眠れるのも、あと数日。

無事に荷物を預け、帰り支度しようとすると、
向井さんと目が合った。

手招きするので立ち寄ると、チョコをくれた。

「わー、ありがとうございます〜」

「帰るの?私も終わろうかな」

「じゃあ待ってますね」


そう話していると、背後からガチャリと
重いドアが開く音が聞こえた。

二人で振り向くと矢野さんだった。


「あ、いた。帰れる?」

「う、うん。あ、向井さんも」

「うん。帰ろ」


矢野さん、何かそわそわしてる?
…まさか、橘さん(菊池)の話を耳にした?

身支度をして3人でオフィスを出た。
当たり障りのない、何気ない話をする。
決算忙しいねー、とか。
新卒入ってくるかなー、とか。

でも、来年度からは
わたしはここにはいないけど。

向井さんは、矢野さんに
橘さんの話はしなかった。



向井さんと別れて、
矢野さんと二人、電車に乗る。

立っているとぐらついて、
矢野さんに当たってしまった。

「ちゃんと立てよ」と、
わたしの手を握った。

見上げると、涼しい顔して
暗い窓の外を見ている。

こんな日も、もう終わる。




籍を入れていたって、寂しいし不安。

つないだ手をしっかり握り返すと、
矢野さんがわたしを見た。

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