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ラピスラズリ 165 置いてきぼり

「ごめん、俺…酔ってる」

「はい…」

酔ってるのが、キスした理由でもいい。
逆にその方が……
たぶん都合がいいんだろう。



田島さんは私を抱きしめた。

人通りはあったはずだけど、
彼の胸に収まってしまえば、
人の目は見えない。


ちゅっと唇が触れて、
また触れて、触れ続けて
だんだん深くなる。


煙草の匂い、お酒の味、
すべて田島さんの匂いがして、
舌と舌が絡んで、
もっと深くなりたくなってきて…

怖くなって一歩後ろに引いた。


それに気付いた田島さんが、
私の腕を引きあげる。


「ごめん、大丈夫?体調悪いのに」

体調、そうだ。
さっきまで気分が悪かったけど
今はそれどころではない、
寒さも…全く感じない。


……ていうか、
なんでそんなに冷静なの?

今キスしたんだよ?




「行こうか、大通り」

何もなかったような田島さん。



ちょっと待って、
私だけ、気持ちが置いてきぼり。



「田島さん、ずるい」



田島さんの背中をぽすっと叩く。
すると、ゆっくりと振り向いて、

「…俺の台詞だ」と言った。

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