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ラブホリック 319-サプライズ。

「マサキ?ゴネてた?」

「はい…納得いってない様子です」

「そりゃ離れたくないよね…。
 てゆうか、会社も会社だよね。
 一緒にいるには辞めるしかないじゃん」

「そうなりますよね…。
 一応、離れるのはちょっとの間だけって、
 部長はおっしゃってたんですけどね」

文句はあっても、
会社辞めないんなら従うしかないし…。

またひとつ、ため息をつき
管理部フロアに戻った。



その日の帰り、矢野さんが管理部フロアに現れた。

「おい。帰るぞ。」

堂々と管理部まで来て、わたしの隣のイスを出して座った。
周りも少し驚いている雰囲気。

「あ…ちょっと待って。これ作ってから…」

「急ぎ?すぐ終わる?」

急かすように言う。

「期限は明日までだけど…」


わたしたちのやりとりを見て、
小林部長が、矢野さんに手招きして、
部長席まで呼び、二人で何やら話していた。



気になって落ち着かなかったけど、
その間に資料作成を済ませた。

帰り支度を始めた頃
二人の話が終わったようで、
矢野さんと部長がこちらに戻ってきた。

「謝っておいたよ。奥さんと離してごめんって」
と部長。

矢野さんの顔を見ると、納得行ってない顔。
こら!いい社会人がそんな顔するんじゃない!


「すみません部長…」
代わりにわたしが謝ってしまう始末。



そうして、オフィスを出た。

しばらく歩いたところで、
「ここ寄っていい?」と矢野さん。

指さしたのは何だかオシャレなお花屋さん。

矢野さんはスタスタと
ショップのカウンターまで行くと、
大きな花束らしきものが出てきて、
わたしを呼ぶ。


「ユキ。これ。」


「え…」


たくさんの、美しいピンクのバラの花束。
矢野さんから差し出されて、両手で受け取る。



「一日早いけど、誕生日おめでとう」



誕生日…忘れてた!


忙しいのに…こんな…



すると、お店の方々が拍手して下さり、
二人恐縮しながらショップを出た。


バラのいい香り。
大きな花束の中の一輪一輪が
本当にきれいで見とれた。


「マサキ…ありがとう」

「うん」


矢野さんは、照れくさそうに、ぶっきらぼうに答える。

いろんな思いがこみ上げて、目頭が熱くなった。

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