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ラブホリック 300-新婚のバレンタインの夜。

しばらくして
お風呂から上がったらしい矢野さん。

ごはんを温め直して食べている様子。

ケーキはどうするんだろ。
シャンパン…(飲みたかった…)




寝室には来ない。
別に、待ってないけど!(素直じゃない)

日本では、恋人たちのためにあるはずの
バレンタインの日に何やってるんだろ。

情けなくなった。


そういえば、
確かにもうすぐ生理だな。

不安はPMSからも来てるのかな…

もうため息しか出ない。
体も重い。



「ユキ。もう寝る?」

突然矢野さんが寝室に来て、ひっそりと驚いた。

「ね…、寝るよ。」

布団にくるまると、矢野さんが
ベッドを軋ませて座った。

「おい。顔見せろ」

「……いや」

包まったままじっとしていると、
矢野さんが力任せに布団をめくり、
わたしの両腕を上から押さえつけた。

寝室の電気はついていないけど、
リビングの灯りでほのかな明るさがある。

わたしをまっすぐ見つめている
矢野さんの顔が、ぼんやり見える。



「マサキ…」と名前を呼んだ。

矢野さんが「はい。」と答える。


「ねえ。大好き。寂しかった」


それだけ言うと、我慢していた感情が
涙になってあふれ出した。



泣きだすとは思わなかったらしく、
手首をつかむ矢野さんの力が緩む。

一度出てしまった涙はなかなか枯れず、
次から次へと流れた。


「やっと一緒にいられると思ったら
 抱き合うばかりで…
 マサキの気持ちを、言葉で聞けないと不安になる。
 待ってるばかりじゃ寂しいよ」



矢野さんは、わたしの涙を指で拭うと、
「ごめん」と言った。


「寂しいなら寂しいって言って。
 嫌なことは口に出せ。
 オレにまで気ー使うなよ。旦那なのに」

手を外し、ベッドの上に座り直す彼。

「…だって、
 仕事で帰れないのわかってるのに、
 寂しいなんて言えないじゃん。」

「言え。仕事の時は仕事のことしか考えてねーけど…
 帰れなくても、帰り道はユキのことしか考えてない」


矢野さんは、わたしの隣にボフっと寝ころんだ。


「よし。今日はエッチなしで
 おまえの不安解消する。
 とりあえずケーキ食おう」

いや、エッチなしは無理かと。(笑)

吹き出すと、矢野さんは立ち上がり、
わたしの両腕を引っ張って起こした。

「今日は二人でケーキ食うの楽しみにしてたんだよ。
 あっちの部屋行こ。ケーキ切って」


つないだ手から、彼の思いが伝わる。
仲良くしたいって気持ちが。

忙しいのに、向き合おうとしてくれてありがとう。

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