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ラブホリック 299-新婚のバレンタインの夜。

矢野さんが帰宅した。

玄関まで行って出迎えて、
彼の手元を見てギョッとする。

チョコの紙袋が、
会社のロゴ入り紙袋(大)の中にぎっしり!


「なにこれ!」

「あー。全部くれた。食おうぜ」

「マサキ、そんなモテんの!?」

「いや、支社の頃はこんなになかったけど。
 何だろな。やっぱかっこいいからか?」
(自分で言っちゃってる人)


ああ…支社の頃は、夜の帝王的な噂が
モテを抑制してたのかも?

それにしてもこんな…
モテモテじゃん!


「いやだ〜!浮気しないで!」

取り乱すわたしに、矢野さんが笑い出す。

「するかよ(笑)それくれた人の大半が既婚者だよ」

「わかんないじゃん、既婚者でも」

わたしがしつこくゴネるので、
矢野さんも呆れてる。

「もー、おまえ、オレにベタ惚れだな」
と苦笑した。



そうだよ。


どんどん好きになって、嫉妬もして
ひとりじゃ寂しくて
気持ちを持て余すほど愛してる。

エレベーターのキスだって、
ドキドキして嬉しくて
社内で姿を見るだけでときめいて、

これ以上好きになったら、
どうしたらいいの。


それだけの思いがこみ上げたけど、
口には出さなかった。


「先風呂入ろっかな。ユキ入ったの?まだなら一緒に入ろ」

矢野さんがコートを脱ぎながら
背を向けているわたしに言う。



「お風呂入ったけど、一緒に入る」
しっぽをブンブン振るわたし。



「マジで?やったー。じゃあ口でしてもらおうかな」



口 で す る ?



そのセリフを聞いた瞬間、
恋する乙女モードになっているわたしと、
エロモードの矢野さんに、
決定的なズレを感じた。


というか、カチンときた。


え?

フ⚫︎ラですか?

散々待ってたのに?

わたしは風俗嬢ですか?




「…やっぱり入らない。」

「え?なんで?」

矢野さんは、ポカンとしている。


そりゃ、一緒にお風呂となると
エロモードになるのも納得できる。

でもその時は、そうは思えなかった。


ただでさえ、愛の表現に
エロスが混ざりがちな矢野さん。

悲劇のヒロインと化していたわたしには、
ふざけてるようにしか見えなかった。


「入らない。寝る」

「え〜?どうしたんだよ」

「知らない。」

「おーい…」

ひとり暗闇の寝室に行って、ベッドに潜る。

「ユキちゃーん。どうしたのー。生理か?」

そこにもカチーン!

軽々しく生理とか言うな!セクハラめ!


「うるさいなぁっ。
 お風呂入ってきて!こっちこないで!」

「…何だおまえ。ムカつくな」


矢野さんは、そう言い捨てると
ドタドタとバスルームに行った。


布団をかぶって目を閉じた。


言い方間違えた。


ただ、寂しいだけだったのに
そう言えばよかっただけかもしれないのに
怒らせてしまった。


何よ。
マサキのバカ。

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