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ラブホリック 298-バレンタイン・キッス。

キャンディーが溶けてなくなった頃。

「さ。仕事戻ろ。癒しの時間終了」
と、矢野さんが立ち上がった。

わたしも立ち上がり、
一緒に上りのエレベーターを待った。


開発フロアの方が管理部フロアより
階下にあるので、
矢野さんはすぐ降りる。


「帰り遅そう?」と聞くと
「んー。またメールする。今日ぐらい一緒に帰りたいな」
と言っていた。


エレベーターが開くと、誰も乗っていなかった。

乗り込んでボタンを押し、扉が閉まると
矢野さんがわたしの肩を引き寄せてキスをした。

「ちょっ…」

「少しだけキスさせて。」

と、矢野さんはニヤッと笑ってキスを続ける。

舌が強引に入って来て、
わたしはギュッと目をつぶった。

思いのほか激しいキスで、足がふらついてしまう。


ポーン、と開発フロアについた音がすると、
矢野さんはやっとわたしから離れて
「マスカット味した」と悪びれない。

そのまま笑ってエレベータを降りて行った。


し・・・信っじられない!

ここ、カメラついてんのに!!

もういい年した男女なのに!
(しかも夫婦)


ドキドキ、鼓動が全然おさまらず、
頬の熱さを感じながら席に戻った。


もーーー…

振る舞いが自由すぎるよ。。。


やれやれ、とため息をついた。



バレンタインの夜。


結局、一緒には帰れず、
彼の帰りを家で待つ。

ケーキは一晩経ってるから
馴染んでおいしいはず。


テレビはつけているけど、
流しているだけで見ていない。

家事もすべて終わったし。


時計を見ても、連絡はない。

あー。
先にケーキ食べちゃおうかな。


彼の、連日の帰りの遅さを
理解してるつもりだったし
彼に「遅い」と伝えることもしなかった。


結果、我慢を重ねて、
わたしはすっかり
めんどくさい女に仕上がっていた。


帰りを一人で待つのは寂しい。

一緒に暮らしても寂しいなら、
離れたらどうなっちゃうんだろう。

考えただけでゾッとした。



何だか、どんどんダメなやつになっていく。


矢野さんがいないと、
一人で歩けないような、
弱い人間になってる気がする。


なんか、依存してるよなぁ…と
ひとりため息をついた。




そうしていると、彼からメールが来た。

『今会社出た!シャンパンもらったから一緒に飲もう』


ぐずぐずと考えていた気持ちが吹っ飛ぶ。

やっと帰ってくる〜!

ご主人様と犬の図式が浮かんだ。

矢野さんの帰りを、
しっぽ振って喜んでるわたし。
(本物の犬はかわいいけど…)

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