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ラブホリック 297-彼の社内的立ち位置。

自席につき、
PCを立ち上げる。

社員カードを首に下げていると、
小林部長がおもむろに言った。


「矢野、営業行き断ったんだね?」


小林部長がどういう意図で仰ってるのか汲めず、
わたしは愛想笑いのような表情を浮かべた。


「そうみたいですね…
わたしには、仕事の話をしないので…。
この前、他の方に教えてもらって知りました」

「そうなの?」

仕方ない奴だな、と言うように苦笑する部長。


答えに困り、言葉を探していると、部長が続けた。

「あ、悪い意味じゃないからね。
いずれまた矢野には営業部からは
声が掛かるだろうから、
それまではプロジェクトこなして、
現場で成長したらいいと思うしね」

「そうですね。わたしは…彼が倒れないように支えます」

そう言うと、小林部長が笑って頷いた。



何だか少し、モヤモヤが残った。
何か悪いことを言われたわけでもない。

小林部長が矢野さんを
気にかけて下さる思いを感じて、
ありがたくもあった。

モヤモヤの理由は
たぶんわたしも、
矢野さんならやると思ってたから。

だと思う。




こうやって、わたしが勝手にモヤモヤするから
矢野さんは話さなかったんだろうけど…

見透かされてるな。。



午後から、飲み物を買いに
自販機のあるフロアに降りたら、
偶然にも矢野さんが一人でベンチに
座っていた。

「社内で遭遇するの珍しいね」

「おー。そうだな。」

ん?矢野さんの隣に紙袋。
ラグジュアリーなチョコ!

「あ。もらったんですね…」とわたし。

「はい。」と矢野さん。

その紙袋をわたしに差し出そうとするので、
首を振って受け取らなかった。

もらった経緯は家で聞くことにした。

なんか意味深なカードついてるし!
こんなところで読めないよ!
(家では読む気)

矢野さんはニヤニヤしながらわたしを見る。

「…そうだよ。妬いてるよ」

観念して打ち明けると、矢野さんは
「何も言ってねーじゃん」と笑いながら、
ポケットをごそごそし始めた。


「アメしかなかった。あげる」

わたしの手に、
包まれた丸いキャンディーを置いた。

「去年はキットカット。
 今年はアメ。来年は何あげよっかなー」
と矢野さんが言った。

「今食べていい?」

「どうぞ」

マスカット味の丸いキャンディーを口に入れる。

「おいしい。ありがとう、矢野さん」

「名字呼び久しぶりだな!新鮮」


1年前に思いを馳せ、甘酸っぱい
このキャンディーで仕事の疲れを癒した。

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