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ラブホリック 277-デスクまで彼が来る。

そう。矢野さんは忙しいのだ。
昔から。


もともと、この業界は残業が多いし、
納期が迫れば過酷な状況になる。

知っているのに、家で待ってると、
寂しくなってしまう…
まだまだだな、わたし。


19時過ぎ。矢野さんからの連絡はない。

そろそろ帰り支度をしようと思っていると、
部長席の内線が鳴った。

「お疲れ様です。管理部です。
小林部長は席外されてますが…」

『清水だけど、ユキちゃん?』

支社からの内線だった。

「あ、はい。お疲れ様です」

『ユキちゃんもわかるかも。あのね…』

わたしでもわかる話だったので、
清水さんの問い合わせに答える。

清水さんの彼女って、向井さんなんだよね…?
と頭の中をよぎりつつも仕事の話をする。

ダメダメ、そんなこと考えちゃ!
仕事は仕事だから!


部長戻ってこないなー…
帰ってはいなさそうだけど。打合せかな。
スケジュールを見ても空白。
うーん。

フロアを見渡していると、
矢野さんが入室してきて
なぜかギクッとした。(笑)


営業に寄った後、こっちにズカズカと歩いてきて、
わたしの目の前のイスに座った。
コートもバッグも持ってるし、帰るスタイル。

『助かったよ。
また部長にも確認入れとくけど、ありがと』

「はい」

矢野さんは、受話器を抱えるわたしを見たり、
ピンクの卓上カレンダーを見たりしている。

お疲れさまでした、と電話を切ると、
矢野さんがニヤッと笑った。


「もう帰れそう?」

「うん。ここまで来たらびっくりするじゃん…」

「だって内線つながらねーし。」


矢野さんの表情が嬉しそうで、ドキドキした。

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