ラブホリック 249-一発で見抜かれる。
でも、さりげなく聞ける内容じゃないし。
「ん?元気ない?」
向井さんが、わたしの表情を見て微笑んだ。
ちょっと、聞いてみようか。
「あのー……矢野さんって、モテたんですか?」
両手で頬杖をついている向井さん、
急に閃いたような顔をした。
「えー!七瀬さんもマサキのこと好き!?」
うそー!
一発で見抜かれたー!!
「違います違います!好きっていうか…」
「大丈夫。私は誰にも言わないよ。絶対」
慌てて弁明するわたしを制して
向井さんは嬉しそうに微笑む。
見透かされてる…?
顔に出てるのかなぁ。
うつむくと、向井さんがくすくす笑うので、
わたしも吹き出した。
「向井さん、さっき『七瀬さんも』って
おっしゃいましたよね。
他にも誰か矢野さんのこと…」
「いやいや、マサキも、だよ。ヤツはわかりやすいから」
あっ。そういうことですか。(苦笑)
「マサキに言っちゃえばきっとうまくいくよ。
打ち明けてくれて嬉しい」
すでにつきあってることは
やはり言えなかったけど
誰かに祝福されるっていいなぁ、と思った。
向井さんが金曜の晩、飲みに誘ってくれた。
週末行くことをを約束して、
ランチタイムは終わった。
向井さんが好きな人は、
矢野さんじゃないのかな。
向井さんのあのリアクションを見ると、
違うように思える。
金曜、聞いちゃおうかな。


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