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ラブホリック 242-前の彼女。

「社内の子とつきあうのは、
 ユキが初めてだよ。
 一応、ずっとリナがいたんだし」

「ほんと?」

「さっそく疑ってるのか…」

「ゴメンゴメン、続けて」


大学時代からつきあっていた、リナさん。

矢野さんもリナさんも、
それぞれの地元で就職した。

通うのは難しい距離。
飛行機か新幹線で、月に一度
週末会いに行っていたらしい。

何度か結婚の話はあったけど、
仕事ではまだ半人前の矢野さんは
踏ん切りがつかなかったそうだ。


「そんな時に、おまえが入社してきて…
今のサオリちゃんみたいに、よく開発部来て。
 目で追ってたよ。今日は来るかなーって思ったりさ」


矢野さんは、懐かしむように話し始めた。



「なのに、たまに話しかけても、
 あんまりリアクションもないし。
 オレ嫌われてんなーって思ってた」

「いや…矢野さん素敵だなとは思ってたけど、
 微妙にチャラいし、彼女いるの有名だったしさ…」

「まあな」と笑う矢野さん。
何に対しての「まあな」なんだろ。(笑)


「で、誰とラブホ行ってたの?リナさん?」

「…違う。同期の子。
 もう結婚してやめてる。向井も知ってる子」


聞いた瞬間、
頭から冷水をかけられたように
サーっと血の気が引いた。


「入社2年目の年かな。
 そいつは本社営業部だったんだけど、
 そいつの顧客の案件の
 プロジェクトチームに入って…まぁ…」

言いにくそうな矢野さん。

沈黙…

「飲みの後にそういう関係になって。
 つきあってはなかったけど、何度かは…」

わー!
聞きたくない
聞きたくない!
(自分で聞いておきながら)



「…ラブホに来たのはその時以来です。」

と、矢野さんは敬語で締めくくった。



シーン…



確かに武勇伝レベルではないし、
よくありそうな話だけど
見事にずっしり重い気持ちになった。


「ほらー。こんな話してもそんな顔になるだけだろ」

そんな顔…
どんな顔よ。(逆ギレ)

「その同期の人とは何でつきあわなかったの?」

「オレも向こうもそんな気なかったし、
 リナと別れる気もなかったし…」

「向井さんは二人の関係知ってたの?」

「んー。多分…つーか、
 やっぱオレの口からあんまり言いたくねぇ〜。
 相手にも悪いし」

そうだね…

こちらから聞いておいて何だけど、
過去の関係をペラペラ話しすぎるのは
わたしもどうかと思うし…


そうかぁ…


「はい、終わり。もう寝るぞ。
 明日ドライブで事故りたくねーし」

「…うん」


その晩は、少し切なさを抱えながら、
目を閉じた。

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